《男のきもの特集》一本の糸から 40年の歩み ~今こそ 繋がり~ 第7回

第7回は「男のきもの」特集

写真:2002年、男の着物専門店として、わずか9坪の店からスタート

2002年に日本初の男の着物専門店として誕生した「銀座もとじ 男のきもの」。

当時は無謀な挑戦と言われた立ち上げでしたが、お客様に支えられ、今年で18年を迎えることができました。

着物は、男女問わず、お洒落を楽しむ方の自己表現の手段であり、男性にとっては「最高の男磨き」です。

これからも、一流の文化が行き交い世界の情報が集まる銀座の地で、時代の風を感じながら、今を装うきものを、熟練の職人や作り手と共に創作してまいります。

2015年からは「男のきものオリジナルコレクション」を展開

第7回目は、共に「男のきもの」のものづくりをしていただいています皆様からのメッセージをお届けします。

岡本隆志さん(型絵染)
服部綴工房さん(綴れ織)
四ツ井健さん(友禅)
滋賀喜織物さん(西陣織)
下井伸彦さん(下井紬)

5名の作り手の皆様の作品はこちらから

作り手の皆様からのメッセージ

私は50年余りに亘り着物や帯を染めてきましたが、お客様が私の作品をまとって下さっている姿を目にすることはごく稀です。

自分の作品を着て下さっている方々と出会う貴重な機会がありました。
「地白の着物もなかなか良いな」とか「この彩色と地色は、よく合っている」とか、ひとりで感激し、嬉しく、また勉強にもなりました。

日々の仕事は、より美しいものを創ることをひたすら心掛けています。
そして、その作品をお客様に届けて下さっているもとじ様はじめ関係者の皆様には、作り手として有難く、いつも感謝をしています。

令和2年5月
岡本隆志

モダンアートのような遊び心あふれるデザイン
2017年のコーディネートより。スマートカジュアルでのひとつ上の洒落感を演出

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私が泉二さんと初めてお会いしたのは、確か1990年代のことだった。その頃は、「きもの」は今よりはとても売れてはいたが、着ている人を目にすることはあまりなかった。 その時代に芽生えたのが、「男のきもの」であり、インターネットでのきもの好きたちの出会いであり、街をきものを着て歩くことであった。

その礎に、泉二さんが居られた。きものを楽しむ時代の幕が開いたのだった。

今でこそ、すっきりとした佇まいの呉服屋さんを各地で目にすることはあるけれど、銀座に「和織」のお店が出現したときは、センセーショナルだった。ご当地をテーマにする「銀座ものがたり」や、柳を使った「銀座の柳染」。素材にこだわった「プラチナボーイ」も、時代の魁であり、それが、脈々と枯れることなく続いている。

今のこの時、人々の生活習慣が、大きく変化してしまうかもしれない。
しかし、泉二さんは、そして「銀座もとじ」さんは、きっと新しい一本の糸を見つけ出し、それを紡いで、次の時代を織り上げていかれると、私は信じる。

令和2年5月15日
服部綴工房 主宰
服部 秀司

「爪掻き本綴れ」の角帯。職人の爪を使い暈し模様を織る
2005年に発刊したきものサロンMOOK。表紙の角帯は服部綴工房さんのもの

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「人間」とは「人と人との間に存在する」との意味らしい。その人との繋がりを断つことをせざるを得ない今こそ、本当に人との繋がりの大切さを身にしみるのではないでしょうか。私は友禅染という技をもって、人の役に立つことで人との繋がりを実感しております。銀座もとじさんとの出会いは10年程前、これまでの私の生き方を大きく転換する切っ掛けとなりました。

作品を通して沢山のお客様と出会い、お一人お一人と語った時間はその後の作品を創る上で貴重な財産となっております。出会いの積み重ねにより、より一層多くの方々に喜んでいただける作品を生み出し、また店頭でお客様皆さまと出会い語らえることが早く来る日を心より待ち望んでおります。

令和2年5月1日
四ツ井 健

友禅染ならではの自由な色柄の表現
繊細な模様は「撒き糊」という防染手法によるもの

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思い返しますと13年ほど前に、もとじ様の別誂え分として男帯のご注文を頂いたのが記憶に残っております。

私共は手織のみで袋帯を少ロット少量の生産をしておりますので、納期や数量の事、また初めての試みの錦地での男帯、その時はお受けするべきか思案を致しましたが今となってはお受けして良かったと思っております。それから何度も社長様はじめスタッフの方々に機場にお出で頂き、その度に織人たちも喜んでおります。

2015年12月には弊社の帯をご紹介させて頂く機会を頂き、人生初めてのトーク会も務めさせて頂きました。数多くの工程を必要とする西陣織ですが、本物の帯を作るためにはそれぞれの工程に研ぎ澄まされた感覚と技術をもった匠の技が必要になってまいります。わずかに残った匠達の手仕事を、お客様に直接お伝えできる機会を頂きました事をありがたく思っております。

これからも歴史ある西陣の地で、手にされた方が迫りくる美しさに思わず息を呑む、そのような帯づくりを目指し、日々取り組んでまいります。どうぞこれからもお客様に西陣織のものづくりを繋げて頂けたらと思います。

滋賀喜織物株式会社
代表取締役社長 岩佐 建史

濃淡のある箔糸を織り出した「むら箔」
重厚感のある織表情が装いのポイントに

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伝統文化である織物の職を父から受け継いだ事で日本人としてのアイデンティティーを授かった気がしています。織りは多くの工程で沢山の人の手を要しながら、次の工程に繋げていくもの、誰の手も欠かせません。

誰かの身に纏われるまでに更に想い有る人が伝え繋ぎます。この職によって多くの素晴らしい出逢いに恵まれ励まされて今が有る自分にとって、伝統文化として残そうという揺るぎない想いを皆さんと共有して紡ぎ繋ぎたいと強く思います。

令和2年4月14日
下井伸彦

草木染の優しい色合いとモダンなデザイン
2018年のコーディネートより。西郷柄の大島紬と合わせて

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これまでに届いたメッセージはこちら

第6回目までのメッセージ一覧はこちら

それぞれの作り手のお名前をクリックしていただくと、メッセージをご覧いただけます。

第1回
外舘和子さん(多摩美術大学教授)>>
小倉淳史さん(絞り染め/辻が花)>>
山岸幸一さん(草木染紬織)>>
久米島紬事業協同組合さん(久米島紬)>>
伊藤裕子さん(組紐師)>>

第2回
五代 田畑喜八さん(友禅)>>
海老ヶ瀬順子さん(穀織)>>
織楽浅野 浅野裕尚さん(西陣織)>>
藤山千春さん・藤山優子さん(吉野間道)>>
ATENARI角元弥子さん(蒔絵) >>

第3回
荒川眞理子さん(型絵染)>>
松浦弘美さん(ほら絽織)>>
須賀恭子さん(草木染紬織)>>
澤田麻衣子さん(型絵染)>>
中野史朗さん(和更紗)>>
和小物さくらさん(小物)>>
清水晶子さん(帽子デザイナー) >>

第4回
森康次さん(日本刺繍)>>
湯本エリ子さん(友禅)>>
矢野まり子さん(草木染紬織)>>
犬飼千賀子さん(友禅)>>
前田紬工芸さん(大島紬)>>
奥順株式会社さん(結城紬)>>

第5回
髙橋寛さん(東京友禅)>>             
平山八重子さん(草木染紬織)>> 
生駒暉夫さん(友禅)>> 
松原伸生さん(長板中形)>> 
大髙美由紀さん(紬織)>>       
藍田愛郎さん(江戸小紋)>> 

第6回
吉村紅花さん(文化学園大学)>>
菊池宏美さん(江戸小紋)>>
益田勇吉さん(大島紬)>>
石川浩さん、谷田部尅詮さん、増田康治さん(養蚕農家)>>
碓氷製糸株式会社・蚕絲館・南久ちりめん株式会社(製糸・製織)>>
田中敦子さん(工芸ライター)>>