菊池宏美さんからのメッセージ

2011年1月、師である藍田正雄氏から独立し、初めての仕事がプラチナボーイの広巾の制作でした。手にした白く輝くプラチナボーイが有り難く、祈る気持ちで染めた事を覚えております。その反物がお客様にご縁頂きましたのがその年の3月、折しも東日本大震災のさなかでした。
携帯を見ると泉二店主より数回の着信、色付けの作業で電話に気付かなかったのです。かけ直すと「菊池さん、反物ご縁頂きましたよ!待って」と、もう帰途につかれたお客様をスタッフが追いかけ呼び戻して下さったのです。その様子が電話口からも伝わってきました。お客様のお声は暖かく私は只々感謝の気持ちをお伝えするのが精一杯でした。
江戸小紋を作り続けてゆく大きな勇気を頂いた私のスタートです。それからも沢山の繋がりを頂いております。どの江戸小紋にもオンリーワンの思いがあります。
現在この状況下に於いても、お客様に物作りの心を届けて下さる。
その絶えぬ情熱と受けとめて下さるお客様の笑顔に変わらぬ思いで江戸小紋を染めてまいります。

令和2年4月17日
菊池宏美


2019年トーク会にて、左から店主・泉二、菊池宏美さん、吉村紅花さん、二代目・泉二啓太
プラチナボーイ 江戸小紋 菱文入杉綾 ベージュ

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菊池宏美さんのご紹介

群馬県伊勢崎市生まれ、現在も同市に個人工房「よし菊」を構える。早稲田大学教育学部卒業後、大手電機メーカーに入社、志を持つ仕事仲間と第一線で開発に打ち込む日々を送る中、心に芽生えた「時代を越えて残るものは…」偶然と必然、運命の出会いは自らの心が引き寄せるものなのか、ふと目を向けた先にあったのが後に師となる江戸小紋師・藍田正雄氏が染めた江戸小紋の反物でした。迷いも戸惑いもなく第二の人生の扉を開き、以後13年間、心技と手技、江戸小紋師としての精神を学びます。師は弟子たちを伊勢の白子へ同行させ、小紋師として型紙を見極める眼を育て、菊池さん自らも中形の型を学び、江戸小紋師にとっての型紙がいかに尊いものであるか学びます。江戸小紋として求められる極小美を宿した反物には静謐な静けさを、作家として型を併用し創造力で生み出す反物には一つの世界観を、菊池さんが染め上げるその両方が師である藍田正雄氏から受け継いだ「今に生きる江戸小紋」です。
銀座もとじ 和染にて 2016年初個展 2019年 2回開催

平成14年 第42回 日本伝統工芸展新作展初入選
平成19年 第54回 日本伝統工芸展初入選
平成20年 第42回 日本伝統工芸展染織展初入選

<受賞歴>
平成25年 第53回 東日本伝統工芸展 江戸小紋着尺扱き縞ぼかし「破れ菱格子に花」東京都知事賞 受賞
令和元年 第59回東日本伝統工芸展 江戸小紋着尺「矢鱈縞」 日本工芸会賞 受賞
令和二年 第54回日本伝統工芸染織展 江戸小紋縦絽着尺「手綱唐桟縞」奨励賞・大丸松坂屋賞 受賞

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型紙から拡げる染小紋 - 菊池宏美の世界|和織物語
型紙から拡げる染小紋 – 菊池宏美の世界

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小紋師・藍田正雄~江戸小紋に懸けた熱き想い~|活動レポート
小紋師・藍田正雄~江戸小紋に懸けた熱き想い~