プラチナボーイ碓氷製糸株式会社さん、蚕絲館 ・ 東宣江さん、南久ちりめん株式会社さんからのメッセージ

碓氷製糸株式会社さんからのメッセージ

プラチナボーイの繰糸をさせていただいております碓氷製糸です。
雄蚕の特徴を活かすために開発されたプラチナボーイ、我が国蚕糸業の誇りある技術の象徴です。そのプラチナボーイの強く、しなやかな糸の優秀性を見事に捉え、製品に結実されたのが銀座もとじ様でした。その製糸を担当させていただいてきたこと、弊社の誇りとするところであり、心を込めて生糸にさせていただいて参りました。
また、きものを愛好する方々を弊社工場にお連れになり、プラチナボーイが実際に繭から生糸になる現場を御覧いただく企画を、毎年着実に実施されてきたのも銀座もとじ様でした。お出でいただいた皆様の驚きと感嘆の声が弊社従業員の励みにもなっていました。
お店の再開の日が出来るだけ早く訪れ、銀座の街で「この生糸は純国産」「群馬の碓氷製糸」というような言葉が飛び交えば、それ以上の歓びはありません。
期待しております。よろしくお願いします。

令和2年4月24日
碓氷製糸株式会社職員一同

蚕絲館 ・ 東宣江さんからのメッセージ

プラチナボーイの繭を初めて手にしたときの驚きは忘れられない。
私は群馬県で養蚕から座繰製糸までを一貫生産する小さな工房を営んでいる。
経歴は製糸18年、養蚕12年となる。この間に様々な蚕品種を飼育し製糸してきたから繭を見れば大体のことはわかる。
プラチナボーイを生産する養蚕家が育てた繭は指で摘まむと一般的な繭より硬く表面の皺はよく引き締まっている。これは蚕が適温で育ち、糸を吐く寸前まで満足して桑を食べた証だ。熟練した経験と蚕への愛情の深さに感嘆する。
製糸ではこの繭糸の太さが細く一定であることを知る。この特徴は一般に流通する絹よりも糸に光沢としなやかさをもたらす。故に製織した反物もこの通りである。
「プラチナボーイ物語」では反物をお召しになるお客様に当工房へお越しいただいている。私が知るこの繭の特徴をご案内し、昔ながらの上州座繰器で繭から糸を作るところを体験いただく。私は着物をお召しになる方々とお会いする機会は少ないので、布になる前の絹糸に関心を抱き足を運んでいただけることは毎回楽しみである。

                             令和2年4月27日
蚕絲館 ・ 東宣江

南久ちりめん株式会社さんからのメッセージ

【プラチナボーイとの出会い】
初めての糸は大変苦労した。筬を一打ちする度に経糸が5本、10本と切れていく。
頭が真っ白になったが最初はなんでもこんなものかもしれない。初めての蚕品種の糸で製糸工場も過去のデータがなく煮繭温度や製糸工程のあらゆるところを手探りでやっているのだろう。
2度目の糸。前回とは全く違う、糸のハリと光沢が素晴らしい。弊社でも下漬け(生糸の前処理)の温度を他のものと比べて低くしたり、時間を短くしたりして対応。結論から言うと光沢、ハリ、節の少なさ、繊度のばらつきの少なさ、あらゆる面が他の蚕品種と比べ物にならないくらい素晴らしく、繭の魅力を最大限引き出した糸になっていた。
【工場見学ツアーを迎えるにあたって】
東京から一般の方を迎えての初めての工場見学ツアー。どんな説明をすればわかり易いだろうか、どんな内容にすれば喜んでもらえるだろうか悩みました。(実際はお越しになられるまでに勉強会をされているようで大変やりやすかったです。)
ただ見学してもらうだけでは面白くないので、たくさんある工程の中で危険の伴わない作業をいくつか実際に体験していただこうと考えました。
【機結び体験】
機結び、どう説明すればご参加の方々にご理解いただけるか考え、荷造り紐を生糸に見立て実演しました。糸が細くて見えにくかったり、結んだつもりが締めようと結び目を引っ張ると抜けてしまったり、わいわいがやがやと機結びだけでこんなに盛り上がるのだなと驚くと同時に嬉しかった。
【八丁撚糸体験】
八丁撚糸体験。まず糸を水に濡らすので何日も前から準備するわけにもいかず、工場見学の日に合わせて準備を進めるのに苦労しました。でも体験がはじまるとそんな苦労がすっ飛んでしまうほど大盛り上がり。狭くて長い撚糸機と撚糸機の間で上手くいった人、いかなかった人の歓声や悲鳴が。参加者のみなさんの顔も生き生きしています。
【最後に】
白生地は半製品なのでなかなか表舞台の脚光を浴びることはないですが、工場見学ツアーによってほんのひと時であっても消費者の方と時間や喜びを共有する機会があるということは機場にとって何よりのエネルギー源となります。
工場見学を終えて帰りのバスの中から手を振ってくださる皆さんの笑顔が今も目に浮かびます。

令和2年4月30日
南久ちりめん株式会社
代表取締役専務 長谷健次


碓氷製糸株式会社 代表取締役常務 田中誠さん(当時)
蚕絲館 ・ 東宣江さん
南久ちりめん株式会社 代表取締役専務 長谷健次さん(右)二代目泉二啓太(中央)、取締役工場長 長谷高行さん

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碓氷製糸株式会社さんのご紹介

昭和34年、碓氷製糸農業協同組合が設立され、以来60年近く、伝統を受け継ぎ未来へ繋げる使命感のもと製糸工場を営んでいます。(2017年に「碓氷製糸株式会社」に組織変更)今では国内でも数える程、群馬県内でも唯一の製糸工場である重要な立場を担っています。2005年に開発された雄蚕品種「プラチナボーイ」の特徴(細く、長く、光沢があり、切れにくくて丈夫、毛羽立ちにくい等)を最大限に活かした生糸を生産することに最善を尽くしていただいています。かつて日本が誇った蚕糸絹業がこれからも途絶えることなく、確かなバトンを次の走者へ託すため、自分たちは何をすべきか、耳を傾け続ける姿は覚悟と情熱で溢れています。

蚕絲館 主宰 東宣江さんのご紹介

和歌山県生まれ。
嵯峨美術短期大学テキスタイル卒業後、西陣織伝統工芸士のもとで植物染めと着尺織りの基礎を学び、群馬県主催の座繰糸技術者養成講習会受講、碓氷製糸農業協同組合に2年間勤務。
2005年 独立、「蚕絲館」主宰、座繰り糸の受注生産を始めます。その後、蚕糸技術センター主催の養蚕体験講座で農家にて養蚕の研修を3期学び、2007年からは繭を自家生産するようになります。
2012年からはご夫妻で養蚕から絹糸つくりまで手掛け、2016年には上野国一之宮貫前神社の式年遷宮祭・大神服の生糸製造に携りました。
染め織るという立場から「糸」を見つめ直し、「糸」に導かれ、2001年、群馬県の赤城山の山麓で座繰りをするおばあちゃんと運命の出会いをします。全身に衝撃が走ると同時に自身の歩む道が明確に見えた瞬間でもありました。そのあとすぐに群馬に移住し、製糸工場での勤務を経て、安中市に蚕糸館を創業。原点を見つめた丁寧な絹糸の製造は染織作家からの信頼も厚く、安心・安全の確かな価値の糸をご提供されています。
2017年度プラチナボーイ春繭ツアーより携わっていただいています。

南久ちりめん株式会社さんのご紹介

明治10年創業。
西に琵琶湖、東に伊吹山を仰ぐ湖北の豊かな自然のもと、生糸から織物になるまでの全ての工程を自社で一貫して生産しています。生糸一本から経糸・緯糸づくりに専念し、水撚り撚糸をはじめ多様な撚糸技術に基づいて特色ある絹織物を生産しています。 
琵琶湖の豊富な軟水により仕上げられた白生地の風合いやシボの表情は作り手にとり創造力の源、一枚のキャンバスとなり、お客様にとっては肌感覚と共に纏う喜びを感じていただく一生ものとなります。
30~40代を軸に従業員は20人、常に今を見つめ、糸の先を見つめて記憶に残る白生地づくりをされています。
プラチナボーイ起ち上げより白生地製造にご尽力いただき、2015年度プラチナボーイツアーより工場見学を実施しています。

プラチナボーイ物語について

プラチナボーイ物語「天からの贈りもの」|和織物語
プラチナボーイ物語「天からの贈りもの」|和織物語
プラチナボーイ春繭ツアー

絹を未来に”プラチナボーイ研究会 農林水産大臣賞受賞についてはこちら

写真左から養蚕農家 石川浩さん、谷田部尅詮さん、(株)マルシバ代表取締役社長 木下幸太郎さん、店主 泉二弘明、泉二啓太
写真左から養蚕農家 石川浩さん、谷田部尅詮さん、(株)マルシバ代表取締役社長 木下幸太郎さん、店主 泉二弘明、泉二啓太

“絹を未来に”プラチナボーイ研究会 日本農林漁業振興会会長賞を受賞についてはこちら

店主 泉二と二代目 啓太
店主泉二弘明と二代目泉二啓太

地方行政の記事はこちら

時事通信社「地方行政」2020年1月20日号で
“国産絹「プラチナボーイ」で作り手革命”として取材をうけました。