「刺繍美 三世・樹田紅陽の世界」《終了しました》
会期:2023年10月20日(金)~22日(日)
>>催事詳細はこちら
>>三世・樹田紅陽さんの刺繍美が特別である理由とは
京都で繍を司る樹田家。
初世・紅陽(樹田国太郎氏)の 孫として生まれ、京都市立芸術大学西洋画科卒業後、
二人の師より繍表現を学び、39歳で三世・樹田紅陽を襲名。
祇園祭の山鉾「保昌山」胴懸類の復元や国立 京都迎賓館内の几帳刺繍制作など、
文化財修復にも携わり、深淵なる伝統を仰ぎながらも、
現代に生きる刺繍美として革新性を宿した作品を手掛けています。
一針、一針の集積が軌跡となる樹田氏の世界をぜひ、ご高覧ください。
コーディネートについて
【樹田紅陽】刺繍帯で、アートシーンのパーティーへ
樹田紅陽さんに銀座もとじが繭からプロデュースしている極上の純国産絹糸「プラチナボーイ」の絹布に染め上げていただいた特別な帯作品。
なんともいえない緊張感が独特の美しさを伝える、唯一無二の存在感をはなつ帯は、名古屋帯ですが装いを格上げしてくれる一本です。
地紋の光沢が華やかな着物に合わせると、着物と帯の光沢の美しさが引き立ち合い、ドレッシーさが高まります。
アートシーンのパーティーにいかがでしょうか。
コンサート、観劇、ハイセンスな洋装の方と集う会食に。
【作家コメント】
【プラチナボーイ】刺繍 九寸名古屋帯「煌々 黒」
平糸を 3 方向に組み合わせています。また「青海波組みぬい」による平糸の階段状の構造により、光の反射が角度により複雑に変化して見えます。この幻視的な亀甲文に、菅ぬいの亀甲文を添えています。宇宙空間に漂う星々の様に。
繡技:青海波組みぬい、菅ぬい、駒ぬい
樹田紅陽さんについてはぜひこちらもお読みください。
和織物語は切畑健氏(京都国立博物館名誉館員)に著していただきました。
【和織物語】「刺繍美 三世 樹田紅陽の世界」
《2018年個展時制作》樹田紅陽さんについての紹介
樹田紅陽さんについて
1948年京都市生まれ。京繍の初世・紅陽(樹田国太郎氏)の孫として生まれ、京都市立芸術大学西洋画科在学中に父である二世・紅陽が病に倒れた後、刺繍家の美村元一氏、さらに間所素基氏への師事を経て、39歳の時に三世・樹田紅陽を襲名。1990年より祇園会保昌山の胴掛類の刺繍の復元を手がけ、以降現在まで保昌山胴掛や船鉾の水引の復元・修理、函谷鉾天井幕の新調に携わられています。250年の時を遡り素材・意匠・技法の伝統を忠実に再現しながらも、完成した刺繍に漂う現代的な美意識。きものや帯などに刺繍だけで文様を施す「素繍い」による作品は、時にモダンアートのような革新性ある造形の中に伝統の繍技が競い合い、巧みな撚糸づかいによる陰影や奥行きが豊かな表情をもたらしています。
《略歴》
1948年 京都に生まれる。祖父は初代樹田紅陽(国太郎) 1971年 京都市立芸術大学美術学部西洋画科卒業。父、国蔵に師事
1973年 美村元一先生に師事
1975年 間所素基先生に師事
1980年 東大寺昭和大納経櫃覆刺繍制作
1990年 祇園祭保昌山胴掛類復原刺繍制作
以降現在まで保昌山胴掛や船鉾の水引の復元・修理、函谷鉾天井幕の新調に携わる
2001年 伝統文化賞(財団法人 民族衣装文化普及協会)
2005年 国立京都迎賓館 大晩餐室几帳野筋刺繍制作
2018年 奈良国立博物館「糸のみほとけ展」に技法解説資料展示等に協力
京都府匠会会員/京都祇園祭山鉾連合会・調査員/(社)文化財保存修復学会会員
2018年 銀座もとじ和染 初個展開催
2020年 銀座もとじ40周年記念展出品
【作家産地】「樹田紅陽」