「遠藤あけみの型絵染 ― 線で捉える自然の豊穣」
会期:2026年1月16日(金)~18日(日)
>>作品一覧はこちら
日々の暮らしの中で出会う草花や昆虫を丹念に観察し、図案を考え、型を彫り、染め上げる、遠藤あけみさんの型絵染。
染色家・岩井香楠子氏のもとで研鑽を積まれ、日本画で培った確かな描写力を礎に、線を主体とした構造やリズムが楽しく美しい模様の世界へ誘います。
工芸展受賞作品をはじめ、絵羽着物、名古屋帯、角帯まで一堂に展示いたします。
こちらは【第42回日本伝統工芸染織展(平成20年度) 入選作品】および【 日本工芸会会長賞】受賞作品です。
工芸展出品作品は、作家の思い入れが別格です。遠藤あけみさん入魂の逸品、独特の世界観を存分にご堪能いただける作品です。
>>日本工芸会ホームページでも入選作品として掲載されています(外部リンク)
型絵染作家 遠藤あけみさんの絵羽着物作品のご紹介です。
【作家コメント】
絵羽着物 紬「春野万華鏡 はるのまんげきょう」
「伝統工芸染織展に出品し始めて間もない頃、「あなたは線を活かした仕事をしなさい」とアドバイスをいただいた。直線を使ってどうしたら植物を美しく表現できるのか試行錯誤していたら、思いがけず工芸会で初めての賞をいただいた。自分の中での記念碑的な作品となった。」
遠藤あけみさんにつきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】遠藤あけみの型絵染 ― 線で捉える自然の豊穣
遠藤あけみさんについて
神奈川県川崎市生まれ。多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業後、染色家・岩井香楠子氏に師事し、型紙による防染を用いた型絵染の技法を学ばれました。日本画で培われた確かな描写力を礎に、線を主体とした表現によって自然のかたちを捉え、植物や生きものが持つ構造やリズムを、独自の図案として丁寧に昇華されています。 日々の暮らしの中で出会う草花や昆虫を丹念に観察し、線の強弱や反復、余白を生かした構成により、着物や帯という立体性を意識した意匠を生み出されています。抑制の効いた色使いと凛とした線描が織りなす型絵染により、遠藤あけみさんならではの模様の世界を築かれています。
1956年 神奈川県川崎市生まれ
1978年 多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業
岩井香楠子氏に師事し型絵染めを学ぶ
2000年 第16回シルク博物館全国染織作品展にて佳賞
2002年 第57回新匠工芸展にて新人賞
2006年~第53回日本伝統工芸展に出品 初出品 初入選
2008年 第42回日本伝統工芸染織展にて 工芸会会長賞
2009年 日本工芸会正会員に認定される
2015年 第49回日本伝統工芸染織展にて京都新聞賞
2016年 第50回日本伝統工芸染織展にて京都新聞賞
2022年 銀座和光 型染作家4名による「型一会」展
2023年 第57回日本伝統工芸染織展にて日本経済新聞社賞
2024年 第71回日本伝統工芸展にて東京都知事賞
2024年 シルク博物館 型絵染8人展