京都で繍を司る樹田家。初世・紅陽(樹田国太郎氏)の孫として生まれ、京都市立芸術大学西洋画科卒業後、二人の師より繍表現を学び、39歳で三世・樹田紅陽を襲名。
祇園祭の山鉾「保昌山」胴懸類の復元や国立京都迎賓館内の几帳刺繍制作など、文化財修復にも携わり、深淵なる伝統を仰ぎながらも、現代に生きる刺繍美として革新性を宿した作品を手掛けています。
一針、一針の集積が軌跡となる樹田氏の世界をぜひ、ご高覧ください。
会期:10月20日(金)~22日(日)
会場:銀座もとじ 和染
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ和染 03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472
(電話受付時間 11:00~19:00)
ぎゃらりートーク
樹田紅陽氏と京都国立博物館名誉館員・切畑健先生をお迎えし、 ものづくりについてお話を伺います。
10月21日(土)10:00~11:00【開催終了】
会場:銀座もとじ 和染
定員:40名様(無料・要予約)
作品解説
10月22日(日)14:00~14:30【開催終了】
会場:銀座もとじ 和染
定員:40名様(無料・要予約)
作家在廊
10月20日(金)13:00~19:00
10月21日(土)11:00~19:00
10月22日(日)11:00~17:00
樹田紅陽さんご紹介
保昌山胴掛復元の手技を現代の美意識で表現。
京繍ならではの、祈りにも似た静謐な美。
1948年京都市生まれ。京繍の初世・紅陽(樹田国太郎氏)の孫として生まれ、京都市立芸術大学西洋画科在学中に父である二世・紅陽が病に倒れた後、刺繍家の美村元一氏、さらに間所素基氏への師事を経て、39歳の時に三世・樹田紅陽を襲名。1990年より祇園会保昌山の胴掛類の刺繍の復元を手がけ、以降現在まで保昌山胴掛や船鉾の水引の復元・修理、函谷鉾天井幕の新調に携わられています。250年の時を遡り素材・意匠・技法の伝統を忠実に再現しながらも、完成した刺繍に漂う現代的な美意識。きものや帯などに刺繍だけで文様を施す「素繍い」による作品は、時にモダンアートのような革新性ある造形の中に伝統の繍技が競い合い、巧みな撚糸づかいによる陰影や奥行きが豊かな表情をもたらしています。
銀座もとじ和染 2018年個展開催
2020年40周年記念展出品
略歴
1948年 京都に生まれる。祖父は初代樹田紅陽(国太郎)
1971年 京都市立芸術大学美術学部西洋画科卒業。父、国蔵に師事
1973年 美村元一先生に師事
1975年 間所素基先生に師事
1980年 東大寺昭和大納経櫃覆刺繍制作
1990年 祇園祭保昌山胴掛類復原刺繍制作
以降現在まで保昌山胴掛や船鉾の水引の復元・修理、函谷鉾天井幕の新調に携わる
2001年 伝統文化賞(財団法人 民族衣装文化普及協会)
2005年 国立京都迎賓館 大晩餐室几帳野筋刺繍制作
2018年 奈良国立博物館「糸のみほとけ展」に技法解説資料展示等に協力
京都府匠会会員/京都祇園祭山鉾連合会・調査員/(社)文化財保存修復学会会員
三世・樹田紅陽さんの刺繍美が特別である理由とは
伝統を仰ぎながら革新性を宿す、樹田紅陽さんの刺繍美がなぜ特別であるかを、復元された祇園祭「保昌山」胴掛類の実際の作品写真と共にご紹介いたします。