「染織作家 大月俊幸・久保原由佳理 二人展」《終了しました》
会期:2023年11月10日(金)~12日(日)
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自然豊かな穂高の地、一つ屋根の下で互いを尊重し、支え合いながら、全く異なる思考とアプローチでものづくりをされている染織家夫婦。
大月俊幸氏は、絣から繰り広げられる大胆な躍動感と効果的な色彩構成により、構築的で存在感のある帯を織り上げます。
久保原由佳理氏は、師の理念のもと、糸選び、精練、糸染め、織り、全てを自ら手がけ、紬ならではのふっくらとした風合いと草木染の澄んだ彩りの着物を織り上げます。
待望の初の二人展、この機会をお見逃しなく。
コーディネートについて
【久保原由佳理】吉野桜染の綾織着物で、気軽な新宴会へ
久保原由佳理さんにプラチナボーイで織り上げていただいた綾織紬は、プラチナボーイならではの光沢が存分に発揮され、お顔映りもぱっと明るく楽しんでいただける着物です。吉野桜で染め上げた優しい彩りも、肌色をきれいに見せてくれます。
このような光沢のある織着物は、シーンに合わせて名古屋帯、袋帯どちらでも演出いただけます。普段のお出かけから、気軽なお祝いの席やパーティシーンまで幅広く楽しめ、とても重宝します。
今回は紅型の帯を合わせて、きれい目カジュアルに。帯〆は溶け込ませ、帯揚で引き締めました。
着物仲間との気軽な新年会にいかがでしょうか。
こちらは、久保原由佳理さんが、銀座もとじが繭からプロデュースしている極上の純国産絹糸「プラチナボーイ」で織り上げた特別な作品です。
【作家コメント】
【久保原由佳理】【プラチナボーイ】綾織 着尺 草木染「桜染 吉野桜」
今年の桜の開花は、とても早く、庭の桜が早くから満開でした。
その桜の枝で染めた着尺です。
煮出すとオレンジ味を帯びた染液ですが、一晩寝かせると酸化し赤味が出てきま す。
自分が好きな色になるまで、染め、乾かす工程を繰り返します。
今回は、こっくりとした色味にしました。
※染料:吉野桜
※媒染:楢やクヌギの灰汁
※素材:プラチナボーイ
久保原由佳理さんについて
長野県安曇野市に工房を構える染織作家・久保原由佳理さんは、ご主人の染織作家の大月俊幸さんと共に、ご夫婦それぞれで作家活動をされています。 幼少の頃、ご実家の隣が染織作家・本郷孝文さんの工房だったことから、染織の仕事が身近な存在だったといいます。大学を卒業後、東京の染織作家・柳悦博さん、崇さん父子に師事し、その後松本市へ戻り本郷孝文さんの元で修業。ご主人の大月俊幸さんとは本郷孝文さんの工房での修行時代に出会われました。師から受け継いだ理念のもと、糸選び、精練、糸染め、織り、全てを自ら手がけられます。「紬は“着ていくたびにやわらかになる”というものも多いけれど、私は“初めて着た時もやわらかい紬” がいいなと思って」と、糸撚りの回数を少し少なくしながらしっかり打ち込み、やわらかい着心地をかなえています。ふっくらとした糸の風合い、草木染の澄んだ彩り。作品には、久保原由佳理さんならではの優しいまなざしやお人柄が満ち溢れています。
以前は松本市に工房を構えられていましたが、現在は、ご両親が移住していた自然豊かな安曇野市へ、よりよい制作環境を求めてお二人も移住されました。高原の別荘を思わせる素敵な自宅兼工房で、機を並べて、庭で草木染の染料を煮出したり、媒染用の灰を作ったり。共同作業は基本的にされませんが、2021年からは藍建てをご一緒に始められたそうです。安曇野の優しい自然に包まれ、お二人はそれぞれの歩調で制作をつづけられています。
1969年 長野県松本市生まれ
1992年 大学卒業後、柳悦博氏、崇氏に師事
1995年 松本に帰郷し本郷孝文氏に師事
2001年 独立
久保原由佳理さんについてはぜひこちらもお読みください
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プラチナボーイについて
【プラチナボーイ】は37年かけて日本の研究者が開発した、世界で初めてオスだけの繭から作られた特別な絹。銀座もとじが繭からプロデュースし、すべての商品に作り手たちの詳細を記し、履歴のわかる“純国産”のものづくりを進めています。2015年には『農林水産大臣賞』を受賞。その開発から、養蚕、製糸、染織、着物につくられるまでを追ったドキュメントは一冊の本『天の虫 天の糸』に綴られています。
【銀座もとじの挑戦】プラチナボーイ
【和織物語】プラチナボーイ物語「天からの贈りもの」