浅野裕樹展 「ケルトの記憶」
会期:2026年2月20日(金)~23日(月・祝)
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幼い頃から、ものづくりに向き合う父の背中を見て育ち、その姿に憧れて織楽浅野に入り十二年が経ちました。八月に訪れたアイルランドでは、異なる土地に積み重ねられた歴史と文化、意匠や色彩の力強さに触れ、深い着想を得ました。その感動を西陣織という自分の言語に置き換え、帯として結実させるまでの時間は、大きな挑戦でありました。
父と織楽浅野から受け継いだ眼差しと、自身の歩みから生まれた今の表現を初個展でご覧いただけましたら幸いです。
浅野裕樹
【作品へのメッセージ】
九寸名古屋帯「ケルト円文」
アイルランドの古代ケルトの装飾に見られる円が連なり重なり合いながら構成される美しさから着想を得て名古屋帯として表現しました。
交差しながら組まれていく線の動きは、中心と周縁を往復し、一定の秩序を保ちながら全体へと広がっていきます。紬糸と金銀糸を織り交ぜ、文様の重なりにボリュームを持たせることで陰影を生み、平面的な表現にとどまらず、文様が内包する構造そのものを織として捉えています。
今回の企画展のきっかけについてはぜひこちらもお読みください。
浅野裕樹氏とともに5名で訪れたアイルランド旅行記です。
※アイルランド出身の銀座もとじスタッフ、マクノルティ・マークによる記事です
(冒頭引用)
数ヶ月前、京都・西陣織「織楽浅野」の浅野裕樹さんが銀座へお越しくださり、銀座もとじ店主・泉二啓太、そしてアイルランド出身の私と三人でお話する機会がありました。
浅野さんは近年、男性用の角帯のモチーフとしてケルト文様を研究しており、その複雑に絡み合ったモチーフが、細く連続した角帯の形状にとても合うのではないかと感じていました。
この会話をきっかけに、「いつか本場の地で文様の源流に触れ、アイルランドの芸術や工芸を自分たちの目で見てみたい」という、より大きな構想が生まれました。
この計画を結城紬の老舗問屋「奥順」の奥澤順之さんに伝えると、スタッフの安藤さんとともに「ぜひ参加したい」と即座に賛同。こうして私たち5人がダブリンに集い、アイルランドへの旅が始まりました。
>>海を越える織り手たち―アイルランドへの旅
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