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新春特別連載【座談会 第3部】二大巨匠展 競演する織と染―北村武資と森口邦彦

[和織物語 特別編]

二大巨匠が語り合う!
【座談会 第3部】

20代の若き北村武資氏が熱心に通った染織研究会。それを主宰していたのは、森口邦彦氏のお父様である森口華弘氏でした。当時の空気感まで伝わるお二人の座談会、連載第3回!
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■染織の研究会で学ぶ

外舘:京都という環境で、お二人は切磋琢磨し、後進も沢山育ててこられました。

北村:育って欲しいわ(笑)。 僕は研究会でもよく勉強して、帰り道では色々考えました。

外舘:森口華弘さんが主宰した染織作家の研究会ですね。

北村:小倉建亮先生が「この会は勉強したい人なら誰でも入れる」と言ってくれて。昭和38年です。

外舘:豪華な研究会ですね、森口華弘さん、小倉建亮さん…。

森口:赤松存さん、細見華岳さん、河上峰仙さん、寺谷巌さん、尾崎良三さん……メンバーは染の方が多かった。

北村:今は、その人たちの孫の時代。僕はその人たちのおじいさんと現役でつきあってきた。

森口:北村さんは当時、研究会で最年少、20代の終りくらい。僕はこの研究会の始まりの頃に渡仏。

北村:研究会は、凄く魅力あって、とにかく続けようと思った。

森口:純粋に色や形がどうのっていう、そういう研究集団に価値を見出した北村さんが偉い。その年齢で、これから家を建てたりしないといけないのに、休みの日を全部自分の研究にあてて。織り始めた端切れを持って来てお互い見せ合ったり、展覧会に出す前には、出品作品を持って行ったりする会に。

北村:当時の研究会は凄かった。華弘先生が真っ白な紙を持ってきて筆でびゅーっと1本線を描く。誰も描けん。

外舘:目の前で描くんですね!

森口:(父・華弘が)直しますねん。「あんたが描いたらあかん。自分で描かせな、言うてあげなあかん」と僕、怒った事あります(笑)。

北村:どれだけ勉強させてもらったか。今の染織部会の研究会は物足りない。厳しい事を言わない。

外舘:私が時々参加してきた感じでは、7部会の中で染織の研究会は割と真面目な印象ですが、ぬるいですか?確かに今は皆、きつい事は言わないですね。

森口:だから僕の伝承者研修会は、厳しいこと言うから映像撮らなかった。「なんでこんなことするの?こんなの描くの!?」「着物着たときお尻の真ん中にこんな線が来るようではあかん!」とか、映像にはできないでしょう(笑)。

外舘:映像に残せない(笑)。でも研修を受けた人たちからは「率直な言葉を聴けた」と喜んでいる声を聴きますよ。

北村:僕の研修会でも、やるからには、正直に全部、自分の体験を映しました。

森口:僕も全部つきあわせてもらった、研修会の開会の挨拶から。研修の初日、北村さんは鋸と鉋を持って現れて。

北村:織物は糸からでなく、機からです。機のあの鳥居のような形は、神聖なものであることを示しています。

外舘:北村先生の研修会のあと、捩り織の作家が沢山育ちましたね。伝統工芸の会場の空気がふわっと軽やかになるくらい。

森口:確かに薄物がば~っと出てきた。

北村:今年の伝統工芸展で受賞した東海の小林佐智子さんのも良かった。素人だった女性が時間をかけて正確に、緻密に織って出せるのも、伝統工芸展のいいところです。

外舘:東海支部は染織のレベルが高いと、私も審査に行ったときに思いました。

北村:彼女に「こんな洒落たファッション選んで着ているんだから。こんな着物作っていてはダメ」と言ったり。

外舘:ファッションセンスと制作物が合っていなかった?

森口:それが合ってきたということかな。伝統工芸って、裃着て出品しないとならないというようなイメージがあったのかな。ともかく、伝統文化が沈んでいくのは困る。泉二さんの事業が成功するのも大事だけど、もっと大事なことを外舘先生に書いて貰わないと。

外舘:はい、心して書きます。

 

⇒第4部《コラボレーションの創造性》へ続きます。

第4部 を読む

ファシリテーター:外舘和子氏
登壇者=北村武資氏・森口邦彦氏  
2021年12月2日 於 北村武資宅(京都)


二大巨匠展  競演する織と染―北村武資と森口邦彦

20世紀が生んだ日本染織界における二大巨匠 北村武資氏と森口邦彦氏による初の二人展を開催いたします。北村氏作品100点、森口氏作品10点の新作はじめ、人間国宝同士よる世紀の合作「雪景」を展示いたします。
北村氏による着物、袋帯、八寸帯、角帯、
森口氏による訪問着、黒留袖、色留袖、帯が一堂に集まる圧巻の作品群、どうぞこの機会をお見逃しなく。

二大巨匠展 競演する織と染―北村武資と森口邦彦
会期:2022年2月19日(土)~27日(日)
会場:銀座もとじ和織・和染
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ女性のきもの 03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472

催事詳細

【新春特別連載】
北村武資氏×森口邦彦氏 座談会
ファシリテーター 外舘和子氏

新春1月2日より連載開始!
12月某日、京都の北村武資氏宅にて二大巨匠が語り合われ、進行役を務められた多摩美術大学教授・外舘和子氏が書き起こしてくださった「座談会」。
北村・森口両氏の闊達な京言葉が生かされた楽しいやり取りの中に、互いの仕事への敬意と、染織や日本文化への深い愛情が感じられる素晴らしい内容です。毎週、メールマガジンやLINE公式アカウントで配信いたします。

第1部 出会いと衝撃-北村武資の構造美
第2部 日本伝統工芸展が果たしてきた役割と「他流試合」
第3部 染織の研究会で学ぶ
第4部 コラボレーションの創造性

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北村武資(きたむら・たけし)氏について

人間国宝 北村武資
2017年の個展にて。写真中央が北村武資氏、右は外舘和子氏。

(手前)北村武資作 羅金袋帯「七宝花丸文」(奥)袋帯「四ツ目菱文羅」(右)羅文帛着尺
(手前)北村武資作 羅金袋帯「七宝花丸文」(奥)袋帯「四ツ目菱文羅」(右)羅文帛着尺

<年譜>
1935年 京都市生まれ
1965年 日本伝統工芸染織展 日本工芸会会長賞受賞
1968年 日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞
1990年 京都府無形文化財保持者に認定
    MOA美術館 岡田茂吉賞工芸部門大賞 
1995年 「羅」の技法にて重要無形文化財保持者に認定される
1996年 紫綬褒章受賞
1999年 京都府文化功労者賞受賞
2000年 「経錦」の技法にて二度目の重要無形文化財保持者に認定される
2001年 「人間国宝北村武資-織の美-展」(群馬県立近代美術館)
2005年 旭日中綬章受賞
2011年 「『織』を極める 人間国宝 北村武資展」(京都国立近代美術館)

和織物語(2017年の個展)

作家紹介ページ

森口邦彦(もりぐち・くにひこ)氏について

人間国宝 森口邦彦
2019年の個展にて。写真左から2人目が森口邦彦氏。

人間国宝 森口邦彦
森口邦彦作 訪問着「雪の回廊」

<年譜>
1941年 京都市生まれ
1963年 京都市立美術大学日本画科卒業、フランス政府給費留学生として渡仏
1966年 パリ国立高等装飾美術学校卒業
1967年 父・森口華弘のもとで友禅に従事し始める
1969年 第6回日本染織展にて文化庁長官賞
第16回日本伝統工芸展にてNHK会長賞
2001年 紫綬褒章受章
2007年 重要無形文化財「友禅」保持者に認定
2009年 「森口華弘・邦彦展-父子人間国宝―」(滋賀県立近代美術館・読売新聞東京本社)
2013年 旭日中綬章受賞
2016年 「森口邦彦-隠された秩序」展(パリ日本文化会館)
2020年 「人間国宝 森口邦彦 友禅/デザイン―交差する自由へのまなざし」(京都国立近代美術館)
2020年 文化功労者に選定
2021年 フランス共和国 レジオン・ドヌール勲章コマンドゥール章受賞

<パブリックコレクション>
文化庁、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、広島県立美術館、群馬県立近代美術館、ローザンヌ市立装飾美術館、ポンピドウセンター、デンマーク工芸博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館、ロサンゼルスカウンティー美術館、ニューヨークメトロポリタン美術館

和織物語(2019年の個展)

作家紹介ページ

ファシリテーター 外舘和子(とだてかずこ)氏について

1964年東京都生まれ。美術館学芸員を経て現在、多摩美術大学教授、工芸評論家、工芸史家。英国テート・セント・アイブスを皮切りに、海外巡回展『手仕事のかたち』、米スミス・カレッジ、独フランクフルト工芸美術館など、国内外の美術館、大学等で展覧会監修、図録執筆、講演を行う。また韓国・清州工芸ビエンナーレ、金沢世界工芸トリエンナーレ、日展、日本伝統工芸展など、数々の公募展の審査員を務める。著書に『中村勝馬と東京友禅の系譜』(染織と生活社) 、『Fired Earth, Woven Bamboo: Contemporary Japanese Ceramics and Bamboo Art』(米ボストン美術館)など。毎日新聞(奇数月第2日曜朝刊)に「KOGEI!」連載中。

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