■「極上の上布展 ~上質を極める日本の夏~」
燦燦と陽光を浴びた鮮烈な色彩の上布、白地に絣が冴える上布、深い藍色の清らかな上布、精緻な手技で感性ゆたかに染め織り上げられた作家作品。
北から南まで、日本の風土から生まれた上布の逸品をご紹介します。
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コーディネートについて
【越後上布】究極の「無地」×【宮古上布】紅型帯で、夏の銀座へ
大変希少な「無地」の「越後上布」。糸質、織技術が伝わりやすい「無地」は、絣柄以上にすべてに上質さが求められる究極の織物です。素材本来の美しさがより引きたち、贅沢な着姿が楽しめます。
帯は「宮古上布」に、玉那覇有勝さんが「琉球紅型」を染め上げた、こちらも大変希少な作品です。素朴で繊細な苧麻布に染めることで、紅型ならではの鮮やかさが少し抑えられ、上布にぴったりの絶妙な色合いに。
帯締め、帯揚げともに、帯の中より色を引き合わせて。
色数を抑えることで涼やかに演出しました。
夏の銀座へお買い物に。
【特別対談】越後上布の魅力
【特別対談】宮古上布の魅力
【3分で解説】極上の上布とは?宮古上布、越後上布、小千谷縮の違いと魅力
「越後上布」について
越後上布の歴史は古く、1200年前から織られている日本最古の織物です。「北越雪譜」には、「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水に濯ぎ、雪上に晒す。」 と詠まれているほどで「雪の中から生まれる織物」とも言われています。昭和30年5月、国の重要無形文化財、第一号の指定産地として越後上布の緯糸は撚り合わせて作りますがそれでも一反分を仕上げるのに約3ヶ月。経糸は一本ずつを結び合わせるため出来上がりまでに7ヶ月もかかります。経糸作りの方が熟練した技術が必要で、その職人がいなくなってきています。
その糸の細さは一目瞭然。長さを揃えて刈った苧麻の皮を裂いて作る糸は、その年の気候と職人の技術が問われます。
また、越後上布の特徴は苧麻の栽培が一毛作であることにもあります。土の栄養が1回に凝縮されるため、他の上布とは別格とされる、やわらかくしなやかな糸が作り出せるのです。
特徴として有名なもうひとつは「雪晒し」です。白地の越後上布は3~4月の雪解けの頃、天気のいい時に、一面の雪野原に反物を広げます。紫外線が雪に当たるとオゾンが発生し、生地が漂白されると言われています。
【重要無形文化財指定条件】
(1)すべて手うみした苧麻糸であること
(2)絣模様は手括りであること
(3)地機で織ること
(4)しぼ取りは湯もみによること
(5)地白のものは雪晒しすること
※指定品には「確認の証紙」「渋札」「割印」があります
【作家産地】「越後上布」
「宮古上布」について
宮古上布は、島で育つ苧麻を原料とした手績みによる糸作り、藍や植物染料による染め、締機や手括りによる絣括り、手織り、砧打ちなどの工程を経て作られた独特の艶と、軽くやわらかな風合いが特徴の夏の最高級品です。1978年国の重要無形文化財に認定。2003年には、糸績み技術が、国選定保存技術となっております。
薄く軽やかで透き通ったトンボの羽を思わせる宮古上布は、苧麻糸の際立った細さから、触れてみると意外なほどしなやかな弾みがあり、肌につかず離れず風が通り抜けていきます。代表的な柄行きである目を凝らさないと分からないほどの十字絣が織り出された上布は、その昔『人頭税』と言う厳しい貢納布時代の苦行によって磨かれた手技の成果です。一日数センチと言う気の遠くなるような時間を掛けて織り上げられた反物は、光沢を出す為に糊付けされ、樫の木の台に置いて木槌で叩く「砧打ち」をします。3キロの木槌で3時間から4時間、叩き続けてやっとしなやかさと艶を蓄えた上布が出来上がります。
南の空の下で織り上げられた伝統の織物。その輝きをぜひこの夏にご堪能ください。
【作家産地】「宮古上布」