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日本の上布礼賛 特別対談《3》宮古上布の魅力 泉二が選ぶ必見の一反

「まるで『着る避暑地』。空調の中では寒いほど」
「今夏から一年でも多く、涼しい夏を過ごしていただきたい」

店主 泉二啓太(以後 啓): 越後上布の次は、南の横綱「宮古上布」です。会長も夏になると宮古上布をよく着ていますね。

会長 泉二弘明(以後 弘):とにかく涼しくて軽くて心地良いんです。宮古上布の着物に140番手の麻襦袢、パナマ帽のスタイルが、暑い夏を涼やかに過ごす私の定番の装いです。暑い日は宮古か越後と、一度でもお召しになった方なら思うのではないでしょうか。

宮古上布 会長 泉二弘明 着姿
会長 泉二弘明の夏の定番スタイル

啓:お客様からも伺ったことがあります。店舗では着物を着てちょうど良い位の空調温度に調整しているのですが、宮古上布を着ていると寒く感じるほどだと、まるで「着る避暑地」だと仰っていました。

宮古上布 女性の着姿
宮古上布の艶やかな透明感が日差しに映える。芭蕉布の帯を合わせた装い。

弘:上手いことを仰いますね(笑)宮古上布は、蒸し暑い日本の夏の心強い味方です。今年はなんと16点も紹介させていただいておりますので、お気に入りの色柄を見つけて、今夏から一年でも多く、涼しい夏を過ごしていただきたいですね。

宮古上布 宮古島の苧麻畑
苧麻畑。宮古上布の糸は宮古島に育つ苧麻から作られる。

啓:宮古上布はよくトンボの羽に例えられますが、日本のすべての織物の中で最も薄い布であることは間違いないですよね。

弘:そうですね。私たち呉服屋は宮古上布を見極める時に、まず反物の巻きの細さを確かめます。巻きが細いほど細い糸が使われている上等品というわけです。江戸時代には天保銭の穴を通るほどの反物があったという伝説もあるんですよ。

啓:より細く薄くと、琉球王府下の過酷な人頭税のもと、実用を超えて究極の献上品としても発展していったのでしょう。宮古上布特有の薄さと艶やかさは、重文指定要件にもなっている「砧打ち」によるものですが、会長も以前に宮古島で砧打ちを体験されたそうですね。

宮古上布 砧打ち
砧打ちの作業風景。3キロの重い木槌で3〜4時間叩き続ける重労働。

弘:はい、体験しました。そして失敗しました(笑)砧打ちは、織り上がった布を糊付けし2万回から2万5千回打ち付ける工程です。繊維がほぐれて肌触りが良くなり、蝋引きしたような特有の光沢が生まれます。淡々と、同じ角度とリズムで叩くのが想像以上に難しいんです。少しでも打つ角度が狂うと布地が傷みますから。

啓:体験中に少し角度が狂ってしまったと・・。

弘:はい・・。砧打ちは最終工程ですからね。一年がかりで極細の糸をつくって、繊細な絣模様を染めて、1日織っても数センチという作業を続けて13メートルを丁寧に織りあげて、砧打ちが終われば完成という段階で・・・。 いたたまれなくなり、その反物は私が買い取りました。当時はまだ宮古上布を着たことがなかったので、理由をつけて自己投資できて逆に幸いでした。初めて袖を通して、これほど涼しいのかと驚きましたね。

宮古上布 糸よりかけ
糸撚り風景。器の中で糸が絡まないよう黒豆も一緒に入れ糸車を回す。撚糸することで糸に強度が生まれる。

宮古上布 機織り
機織り風景。重文の越後上布は地機で織るが、宮古上布はすべて高機で織られる。

啓:宮古上布は、組合経由で作られるものと作家作品とがあります。組合が作る伝統的な藍染めのものと、新里玲子さんや仲宗根みち子さんが手がける色鮮やかな宮古上布を一堂にご覧いただけるのも、今回の展示会の大きな見所です。

宮古上布 着尺
宮古上布 着尺「小絣」 締機による端正な絣が品を湛える。男女ともに向く柄行。

宮古上布 新里玲子作 着尺
新里玲子作 宮古上布「彩絣格子」染料は藍とコチニール

弘:宮古上布の中でも見比べて、また、宮古上布と越後上布を見比べて、苧麻という同様の植物から作られながらも、北から南、日本の豊かな風土と歴史・文化の中で異なる個性を花開かせてきたことを知って楽しんでいただきたいですね。

宮古上布 商品一覧

会長 泉二弘明が選ぶ必見の一反
仲宗根みち子作 宮古上布「格子」

仲宗根みちこ作 宮古上布「格子」

極細の糸を用いているので大変しなやかな風合いに仕上がっています。 新里玲子さん同様に、仲宗根みち子さんも、宮古島の糸績みのおばあ達との信頼関係が深いので良い糸が集まってくるんです。色も柄行もモダンで、伝統的な宮古上布とは一線を画する雰囲気ですが、重文指定のものと同じ工程を経て丁寧に作られた極上の一反です。

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店主 泉二啓太が選ぶ必見の一反
宮古上布「立涌十字絣」

宮古上布「立涌十字絣」

組合の宮古上布の絣模様作りには、大島紬同様の締機が使われることが多いのですが、こちらは手括りによって絣が作られています。締機を用いた精巧な絣も美しいのですが、手括りの絣の味わいと優しさにも惹かれます。白く星のように浮かぶ絣が縦方向に目線を導いて、着姿を綺麗に見せてくれるのもおすすめポイントです。

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日本の上布礼賛 特別対談

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一生の宝物と出会う夏
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