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日本の上布礼賛 特別対談《2》越後上布の魅力 泉二が選ぶ必見の一反

「1200年前から織られていた、日本の宝物ですね」
「経糸だけでも糸績みに約1年。特上の糸だけが越後上布になれるんです」

店主 泉二啓太(以後 啓): 「北の越後、南の宮古」と称されるように、上布の最高峰といえば越後上布と宮古上布。まずは北の横綱、越後上布からまいりましょう。

会長 泉二弘明(以後 弘): 蒸し暑い日本の夏に、軽やかな布目を風がすーっと通り抜ける涼感や幸福感は堪りません。着物好きの方の憧れの着物です。

越後上布 着姿 重要無形文化財
重文指定要件である雪晒しを経て作られた越後上布。雪の記憶を宿したような白さと涼やかさ。

啓:越後上布は国の重要無形文化財の第1号、日本最古の織物でユネスコの文化遺産としても登録されています。

弘:1200年前に織られたものが正倉院宝物としても保存されていますから、まさに日本の宝物ですね。江戸時代のベストセラー「北越雪譜(ほくえつせっぷ)」にもあるように、雪国の自然の恵みの賜物です。

越後上布 雪晒し 雪ざらし 重要無形文化財
雪晒しの風景。オゾンの働きにより布のくすみが取れ白さが際立つ。

※北越雪譜とは・・・越後塩沢の文人・鈴木牧之(ぼくし)が著した書籍。織物商も営んでいた牧之が、江戸に商いに来た時に雪を珍しがる人が多いことから、雪国の生活ぶりについて江戸など「暖国」との違いを様々な例を挙げながら著し人気を博した。

啓:会長は私が物心ついた頃にはすでに日本全国の産地を巡り歩いていて、越後上布の話もよく聞いて育ちました。

弘:当時は産地の様子を知る術が無かったですし、素晴らしい織物がどのように作られているか知りたい、自分の目で見て、自分の耳で聞き手で触れて、自分の言葉でお客様へ伝えたいという思いが強かったですね。今の銀座もとじの基本姿勢に繋がっています。

越後上布 雪晒し 泉二弘明
越後上布の「雪晒し」を会長 泉二も体験!「昔ながらの様相で」と蓑に藁靴を履いて雪原へ。(2006年の記事より)

啓:越後上布は糸の時から宝物として大切に扱われていますよね。冬に寒い中で機織りされていて「暖房をつけないのですか?」と聞いたら「糸が乾燥するから」と仰って。極細の糸は、糸を作るのも織るのも大変神経を使います。

越後上布 地機織り 重要無形文化財
重文指定要件である「地機」による機織りの様子。経糸を腰に括り付け張力を調整し糸への負荷を減らして優しく織り上げる。

弘:越後上布の糸は全て福島県昭和村で作られて、糸の品評会で「特上」とされた糸だけが越後上布になることができます。原料の苧麻は本来多年草ですが、品質を保つために今でも毎年焼き畑をして一から育てています。着物1反分の糸を績むのに、経糸に約1年、緯糸に約10か月の作業時間がかかりますし、何より、細くて均一な良い糸を作れる人が年々減っているんですよ。

越後上布 糸績み 重要無形文化財
すべて手績みした苧麻糸であることも重文指定要件。糸績みはこの道数十年のおばあ達に支えられ後継者不足が危機的状況にある。

越後上布 糸績み 重要無形文化財
左が手績みする前の苧麻の繊維。手で割き1本1本を繋いで糸をつくる。

啓:会長が産地へ通い始めた当時から、生産反数の減少は心配されていたと思います。この20年、30年でその状況は変化していますか。

弘:希少、希少と煽るのは良くないとはいえ、越後上布を語るときに生産反数の話は避けて通ることができません。20年前の「きもの紀行」の記事では「年間34反」とありますが、今や着物は年間10反とも言われています。作り手の高齢化や後継者不足はどうしても避けられませんし、将来的に生産数が増える要素も価格が下がる要素もないので「いつか越後を」という悠長なことを言っていては・・危惧しているのです。

越後上布 湯もみ 重要無形文化財
小千谷縮の制作工程である湯もみの様子。重文指定要件に「しぼ取りは湯もみによること」とある。(平織の越後上布にはこの工程はない)

啓:今回の展示会では着物7点、帯5点の計12点をご紹介しています。この品揃えは問屋さんにも驚かれるほどです。何度も申し上げますが、一目見るだけでも価値があると思いますので、ぜひ気軽にお店にいらしていただきたいですね。

越後上布・小千谷縮 商品一覧

会長 泉二弘明が選ぶ必見の一反
越後上布「縞に井桁十字」

越後上布 縞に井桁十字 重要無形文化財

私が選んだのはこの「縞に井桁十字」です。
藍地に白と水色の二色の絣が大変洒落ていて、全体的な柄のバランスが良いですね。特にこの白の絣の美しさが素晴らしい。藍地にキラキラと煌いて見えます。濃い地色の場合は白く染め残す部分を手括りするわけですが、これほど白く染め残せるのは、高い技術の証です。

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店主 泉二啓太が選ぶ必見の一反
越後上布「縞」

越後上布 縞 重要無形文化財

私はこの縞模様の一反を選びました。
重文の越後上布はどれも糸が細いですが、中でもこれは特に細い糸で織られていて、優しくしなやかな風合いです。濃紺と茶のシンプルな縞柄ではありますが、手績みの糸の素朴な質感が縞のラインの揺らぎとなって、温もりのある縞模様になっています。男女問わずお召しいただけるのも良いですね。

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日本の上布礼賛 特別対談

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一生の宝物と出会う夏
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