花の香しい紫に、
みずみずしい緑を添えて
【コーディネートについて】
ムラサキツユクサの可愛い花の背景に、
シャープな葉がデザインされている香り豊かな着物。
花の紫、葉の黄緑、雄しべの黄色効かせ色に。
葉の黄緑から帯の色を合わせて、爽やかなコーディネートに。
【作家コメント】
作品名:「紫匂う」
六月、いつもの散歩道、鴨川堤防にムラサキツユクサが咲きます。麦草という小さな花も密集しています。同じ時期の草花を裾と肩に描き分けました。
地色/淡青紫色
繡技/菅ぬい・まついぬい・刺しぬい
糸色/紫濃淡・ねずみ・青緑色・黄色
森康次さんについて
京都上賀茂に工房「アトリエ森繍」を構える森康次さん。1946年、京都市中京区に生まれ、刺繍を生業とする「ぬい屋」の長男として15歳で家業に従事。当時の刺繍の役割はあくまで友禅へのあしらい的なものでしたが、次第に刺繍を主役にした作品を創作したいという気持ちが大きくなり、写生や水彩画の勉強を始められます。「ものをよく見て、その命のありようを『形』にする」――よく口にされるこの言葉には、「五感で感じた、形になりにくいものを形にしたい」という想いが込められています。また、色についても同様に「何色と一言で言えないくらいの色が綺麗だと思う」と仰います。刺繍の色糸はすべて森さん自らが染められ、工房にある糸専用の引き出しには夢のように美しいグラデーションを描いて2500色以上の糸が整然と並んでいます。刺繍糸の色や明度を抑えた穏やかで優しいきものづくり。纏う人のことを一番に想い、決して目立ちすぎない上品なきものは時代に左右されない真の魅力があります。
弊店40周年に向けた森康次さんからのメッセージ
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