沖縄の伝統織物、読谷山花織の九寸帯のご紹介です。
かつて王族や貴族のみが着用を許されていたという、首里や与那国の花織のきもの。 各産地は独自の花織、浮織の技法を確立しました。 身に纏うことで経糸、緯糸の重なり合う美しさに立体感が生まれ、花織ならではの愛らしさと華やぎが楽しめます。
こちらは、黒地に、ブルー系の濃淡で菱文が織り出された、凛とした美しさが魅力的な意匠。透明感あふれる澄んだ彩りに引き込まれます。伝統織物でありながら都会的なセンスが楽しめる一品です。
生地感は、さらりとした紬素材で、袷よりの単衣から、袷に長く楽しんでいただけます。
紬や綿、小紋に合わせて。
伝統の織柄を、色数を限って洗練させた、すっきりと楽しんでいただだける花織帯です。
「読谷山(よみたんざん)花織」について
沖縄の代表的な織物のひとつ。東南アジアと直接交易を行っていたと言われる読谷山花織は色柄や技法に南方色が強いと言われ、大きく分けて二つの織り方があります。ひとつは「手花(ディバナ)織」という「平織りの地に別糸を織り込み、刺繍をしたように花の文様を織り出す」方法で、比較的自由な柄が作りだせます。もうひとつは「綜絖(ヒャイバナ)花織」といい、綜絖を使って緯糸を浮かせることで文様を出します。どちらも花文様は、「銭玉(ジンダマ)」「風車(カジマヤー)」「扇花(オージバナ)」を基本にしています。
この三つの花文様はそれぞれ、琉球の方々の温かな気持ちが込められています。
「銭玉」・・お金に困らずに生活していけるように
「風車」・・長寿のお祝いには必ず使う
「扇花」・・末広がりで子孫繁栄
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