伊藤峯子さんの首里花倉織の九寸帯です。
「花倉織」は、花織と絽織をあわせた沖縄本土の伝統的な織物です。高度な技術の織物で、かつては王家・貴族専用の花織とされていた織技法です。
花倉織は、わずかに絽織が細く織り表されていますので、単衣の季節を中心にお楽しみいただける帯です。
優しく淡いピンク地に薄紫濃淡で織りなされた上品な縞模様が、絽織と重なり、ふんわりと軽やかなセンスに。浮織のプチプチとした凹凸が小さな煌めきとなり、目にするだけで心華やかな気持ちになれる帯です。
紬や綿、小紋に合わせて、大人のきれいめカジュアルな装いに。
洋の香りも漂うセンスは、洋服の方と集う食事会やちょっとしたコンサート、美術館巡り、女子会へ。
首里の織物について
約500年にわたる琉球王府時代の首都・首里。その地で培われてきた首里の織物は、貴族や士族など高い身分の人々のための衣裳として作られ、美しく格調高い織物が創作されてきました。戦後、一度はその伝統が途絶えそうになったことがありましたが、宮平初子さんが復興に努め、復活。現在、首里の織物は七種類(首里花織、道屯織、花倉織、諸取切、手縞、煮綛芭蕉布、花織手巾)の技法が伝えられています。