吉岡幸雄さんについて
吉岡幸雄さんは、2019年9月に永眠されました。江戸時代から続く染屋「染司よしおか」5代目当主をつとめられ、染織史家であり日本の染色界の第一人者でいらっしゃいました。 1946年に京都に生まれ、学生時代はジャーナリストを志望し早稲田大学第一文学部に入学。卒業後、美術工芸図書出版「紫紅社」を設立し出版・広告界でのご活躍を経て、1988年に家業へ。日本の伝統色の再現に取り組み、毎年、東大寺お水取りの椿の造り花の紅花染和紙をはじめ、古社寺の伝統的な仕事にも多く従事されています。 「染司よしおか」の染めは古来より用いられてきた天然染料によるもの。草樹花実に宿る色を汲みだして糸や布を染める植物染や、貝による帝王紫の染色を専門にされています。平安王朝から抜け出てきたような雅やかな美しい彩りは、ひとつの色の中にも悠久の歴史と文化を感じさせます。
【作家産地】「吉岡幸雄」ご紹介