■「極上の上布と自然布」
着物好きの方なら一生に一度は袖を通したいと思う上布の逸品や自然布。
銀座もとじでは「見て触れて纏うことのできる美術館」のように、大変豊富にご紹介しています。
今、日本の上布を、日本で一番ご覧いただける店だと自負しています。
お好みのデザインを複数の中から「選べる」というのは、上布においては実は大変貴重です。
ぜひ最上級の夏の装いをご堪能ください。
>>「上布と自然布」一覧はこちら
>>「芭蕉布」一覧はこちら
鹿児島県最南端の島、与論島で芭蕉布を作り続けている菊さんご一家による、大変希少な芭蕉布の着尺です。
さらにこちらは【生地巾(外巾)約1尺5分(約39.7cm)】の《広巾》ですので、裄の長い方にもお役立ていただきやすい、極希少なお品となっております。
菊家と菊千代さんについて
長く工房を率いてこられた菊千代さんは1926年(大正15年)1月24日生まれ。2022年にご逝去されましたが、現在もご家族で制作を続けられています。
千代さんには三つの夢がありました。ひとつは「民具や民家を後世に残していくこと」。二つ目は「与論独特の方言を正しい形で残すこと」。三つ目は「芭蕉布で個展をひらくこと」でした。二つの夢は叶いましたが、最後の夢はもう叶わないことと諦めていたとき、店主・泉二(もとじ)と出会いました。千代さんは懸命に作品を作ってくださいました。当時82歳という年齢で1人で糸作りから織りまでしていきますから、出来上がった作品数は本当にわずかでしたが、2008年5月、銀座もとじのぎゃらりー泉にて、その夢を実現することになりました。
菊千代さんについてはぜひこちらをお読みください。
【和織物語】「菊千代が織り上げる与論島の芭蕉布」
芭蕉布について
芭蕉布は、経緯糸ともに手績み芭蕉糸100%を使用し、草木染、手織りで作られた夏の織物です。
上布や麻、夏紬の着物に合わせて。
風が抜ける自然布ならではの涼やかさは夏の醍醐味です。
古い書物には13世紀頃からすでに芭蕉布は織られていて、15世紀には現在の工程と同じ技法を使っていたと記されているといいます。芭蕉には3種類あり、実芭蕉(バナナ)、花芭蕉、糸芭蕉がありますが、芭蕉布は糸芭蕉を使います。背丈ほどにもなる糸芭蕉の茎を伐採して、繊維を取り出します。外側は硬いので座布団や小物などに、その内側は帯に、そしてさらに内側のやわらかな繊維は着物になります。糸芭蕉は原皮が採れるまで約3年の成熟を待たなければなりません。また、着尺一反分には約200本の原木が必要と言われます。芭蕉栽培から、伐採し、繊維を手で裂いて糸にし、織り上げるまで想像を超える根気が求められる織物です。
【作家産地】「芭蕉布」のご紹介
【特別対談】芭蕉布の魅力 泉二が選ぶ必見の一反