じっくりと深い「黒地」に、大きめの経緯絣が大変印象的な久米島紬です。
この黒地は、「クルサ(ホルトノキ)」×「泥」で染められたもの。
「クルサ」は、青みがかったクールな印象の黒色を染める際に用いられる草木染料です。低地から山地にかけての林内に多く見られる常緑の高木で5m~10mほどの高さになり、樹皮はタンニンを含みます。
織り出された絣柄も大変存在感があります。
ひとつひとつがたっぷりと、主張するように配されたデザインは、久米島紬の代表的な絣柄を贅沢に堪能いただけます。
またさらに、こちらは【生地巾(外巾)1尺1寸(約41.6cm)】の《広巾》で、裄の長い男性にも楽しんでいただける、大変希少な久米島紬です。
図案、染め、織りまでの全工程を一人で担うため、ひとつひとつに作り手の個性があることも久米島紬の魅力です。
色、柄、生地巾、ともに希少な仕上りの作品でございます。
ぜひこの機会に久米島紬をお楽しみください。
製作者:宮平トシ子
染色:クルサ/泥
久米島紬についてはぜひこちらもお読みください
【和織物語】「久米島紬 50周年記念展 ―魂にまとう織物―」
【泉二啓太の産地めぐり】~久米島紬の歴史と「ユイマール」の心を訪ねて~
「久米島紬」について
2004年に国の重要無形文化財に指定された久米島紬。
沖縄本島から西へ100キロのサンゴ礁の海に浮かぶ島で、島内の豊かな自然の恵みを活かし彩り豊かに織られる伝統的な織物です。
久米島には古くから養蚕技術が伝わり絹織物が作られていましたが、琉球王朝時代に全国から技術者が派遣され貢納布として発展。江戸では「琉球紬」の名でもてはやされたといわれます。
伝統の技法を今も守り、図案、染料作り、絣くくり、糸染め、織りの全工程を一人が一貫して行うのが特徴で、一反ごとに作り手の個性が反映され心癒される味わいがあります。
1970年に久米島紬事業協同組合が設立され、久米島紬の技術を後世に継承していこうと島全体が一丸となって後継者育成に力を入れています。
【作家産地】「久米島紬」作品/記事一覧
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