こちらは宮城県を舞台とした「草木染 山崎広樹×採石場 大蔵山スタジオ」のプロジェクトによって制作された特別な作品です。
宮城県南部の阿武隈山系北端に位置する標高300mほどの里山である大蔵山は、 2000万年の歴史の中で二度も海に沈んだといわれます。
「大地に還る草木染」を研究する山崎広樹氏が、自然の畏怖を感じるこの場所で悠久の時が作り出した大蔵山に自生する草木や石で染め上げた着物です。
【作家コメント】
草木染 染紬「石摺ウワミズザクラ」
石摺について、石の加工場で出てきた反物の幅より少し大きい破材を使って摺染した。 木綿の布にウールの原毛をくるんで、テルテル坊主みたいにして、摺り染めをしていく。松煙を付けて、つけすぎないように、石摺をした。
大蔵山染料:ウワミズザクラ
靄のような独特のニュアンスは、石摺り技法ならではのもの。 「表情のある無地」と呼べるさりげない表情でシンプルな着やすさがありつつも、制作方法や背景、染料に語りがあるのが大きな魅力。ウワミズザクラによる草木染のあたたかな色目に、松煙染の墨色が重なることで程よい落ち着きがあり、男性、女性、ご年代問わず長く楽しんでいただける雰囲気に。世界でたったひとつの手仕事の味わいが楽しめる染紬です。
さらりとした風合いですので、袷だけでなく、単衣にもおすすめです。
山崎広樹 Hiroki Yamazaki
染色家/草木染作家
1988年神奈川県川崎市生まれ。2011年東京農業大学国際バイオビジネス学科卒業。2013年父・和樹主宰の草木工房で草木染の研究を始める。2015年「第18回岡本太郎現代芸術賞」に入選し、川崎市岡本太郎美術館で展示を行う。2016年松原染織工房で松原與七氏より型染を学ぶ。2018年「銀座もとじ 男のきもの シーズナルコレクション2018秋冬」に参加し、型染の帯を出品。銀座もとじ店舗内で糊置の実演パフォーマンスを行う(2019春夏、2019秋冬、2020春夏、2021秋冬、2022春夏も参加)。2019年「中国杭州天然染色会議」に参加、父と共にワークショップを行う。岡谷市蚕糸博物館の展示会に型染帯を出品する。2020年高崎市染料植物園の展示会に型染帯を出品。銀座もとじ「草木染の継承展 山崎青樹・和樹・広樹」で型染帯を出品。2022年より東北芸術工科大学非常勤講師。
大蔵山スタジオ
伊達冠石の採石場、加工場、デザインスタジオを運営する石の専門会社。ひとつひとつの原石がアートピースとして、独特の存在感を放つ伊達冠石は、世界中のアーティストや建築家を魅了し続けている。2020年に採石場を中心とした自社の里山で、ギャラリーロキをスタート。採石場の持つ場の力や、原石の力を通じて、人類が自然に対して抱いてきた原初の感覚を共有する企画展を開催している。