ふっくらとやわらかな銀ねずの彩りが人気の高い「ゆうな染め」の久米島紬です。
「ゆうな」とはアオイ科の常緑高木のこと。「オオハマボウ」という植物で、沖縄や奄美地方では「ゆうな」と呼ばれています。葉はハート型で、黄色やオレンジ色のまるみのある花が咲きます。その幹を木炭にし石臼ですりつぶして作られた染液で染める、伝統的な技法です。
こちらは十字絣のシンプルなデザイン。伝統柄でありながらすっきりと楽しめます。
図案、染め、織りまでの全工程を一人で担うため、ひとつひとつに作り手の個性があることも久米島紬の魅力です。
製作者:田場八重
染色:ゆうな
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「久米島紬」について
2004年に国の重要無形文化財に指定された久米島紬。
沖縄本島から西へ100キロのサンゴ礁の海に浮かぶ島で、島内の豊かな自然の恵みを活かし彩り豊かに織られる伝統的な織物です。
久米島には古くから養蚕技術が伝わり絹織物が作られていましたが、琉球王朝時代に全国から技術者が派遣され貢納布として発展。江戸では「琉球紬」の名でもてはやされたといわれます。
伝統の技法を今も守り、図案、染料作り、絣くくり、糸染め、織りの全工程を一人が一貫して行うのが特徴で、一反ごとに作り手の個性が反映され心癒される味わいがあります。
1970年に久米島紬事業協同組合が設立され、久米島紬の技術を後世に継承していこうと島全体が一丸となって後継者育成に力を入れています。
【作家産地】「久米島紬」のご紹介
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