東京友禅作家 高橋寛さんの大人の粋が楽しめる染九寸帯です。
「爽流」と題された作品は、その名の通り、爽やかで軽やかな流れを感じさせる動きの豊かな意匠。落ち着いた浅い灰緑地に表れるやわらかで上品なゆらぎが、渋めの彩りを地味になりすぎず、すっきりと明るいセンスで仕上げています。
上質な風情を纏う、大人の社交着としてふさわしい佇まいです。
江戸小紋の粋な雰囲気にも最適。
軽い付下げや小紋、きれい目の紬に合わせて。
ご挨拶や観劇、会食へ。
高橋寛さんと技法について
こちらは、ひとつひとつの点や線を手作業による筒糊で置いていくという、気の遠くなるような技法で創作された作品です。
点の密度や線の抑揚・隙間、線の交差による奥行き表現のみで、水や風の流動する姿や植物の葉や枝が動く様子など自然のダイナミズムを豊かに表現しています。友禅作品全体でみても、点描のみで表現された作品は希少です。
師・人間国宝中村勝馬氏の「商業主義にとらわれず、時流との妥協をできるだけ避け、最小限度の生活ができる範囲で自分の道を進む」という硬派な思考を受け継ぎ、お一人でストイックに仕事をされ、独自の世界感を追求し続ける一方、日本工芸会にて、後進の育成にも注力。それゆえに制作数が大変少なくいらっしゃいます。
【作家産地】「高橋寛」ご紹介