ふんわりとした淡いペールトーンの楚々としたフォーマル付下げとは違う、
きりっと濃い地色の存在感のある着姿を楽しめる付下げのご紹介です。
中国では神仙が住むとされていた山中から湧き出る雲を雲気と呼び、その動きや色形で吉凶を占いました。特に「瑞雲」は縁起が良いとされている、吉祥柄です。
気品が香る、落ち着いた紫地に、すべて刺繍表現によってあしらわれた瑞雲文様。
糸色は、金と白ねずのみ。限られた色数ながら、遠目で見ると、瑞雲の浮き立つような立体性や、奥へ広がる空間性が美しく、着姿に抑揚豊かな奥行きをまとっていただけます。
無地場の多い構成ですが、生地には入子菱の織柄がやわらかに浮かび、静けさの中にも楚々とした華やぎが感じられます。
個性を楽しめる紫地に小付けのさっぱりとした柄行ですので、仰々しくなりすぎず。
小紋よりも少し格上げして、きちんと感のあるきれい目なお洒落を楽しみたいシーンに重宝する付下げです。
袋帯ならちょっとしたパーティーへ、名古屋帯ならよそいきのワンピース感覚で。
観劇、会食、家族行事の付き添いにもちょうどよい雰囲気です。