コーディネートについて
【天目染】薄羽織で軽やかに、行きつけの飲み屋で一杯
銀座もとじオリジナルで制作している「天目染」は、無地と柄物の中間のようなニュアンスが楽しめると人気です。個性がありながらもコーディネート力が抜群で、羽織、着物どちらにも使い勝手がよく、お洒落かつとても重宝します。
こちらは「天目染」を着物としてコーディネートしました。
遠目では無地感覚ですが、近づくと独特の濃淡が装いに深みを演出し、こなれた印象に。
今回は、白鷹上布を薄羽織で重ねて初夏の装いとして。
裂織の趣味性豊かな角帯と、伊藤裕子さんによる深緑の羽織紐で、渋さをプラスして、全体を引き締めました。
上品な中に気軽なカジュアルさを添えて、行きつけの飲み屋で一杯。
天目染小紋について
「天目染」の一番の特徴は、「色をつける」という従来の染色とは全く異なる、「色を抜き取る」という画期的方法にあります。
まず、下染めした生地の上に引き染めをし、それが乾かないうちに、鞍馬の銘水で一昼夜水にさらし翌日水切りした選りすぐりの京都の北山杉の挽粉を約1~2cmの厚みでむらなく置きます。そして、その下から熱を加え乾かすことにより、挽粉が染料の色を吸い取り、天目独特の模様となります。この一連の作業を2~3回繰り返すことにより、より深みを持った色が生み出されます。
色を吸い上げるこの北山杉の挽粉に出会うまで、パン粉や桜のチップ(桜の木の挽粉)など、様々なもので試行錯誤され、苦心の結果ついに、天目茶碗の味わいのある模様を表現することができる、この北山杉の挽粉を見つけることができたそうです。
無地でも、柄でもない、その中間となるニュアンスほどの柄行は、コーディネート力も抜群です。独特の陰影にムードがあり、大人の色気を感じさせます。色選びにもこだわりました。
また、銀座もとじのオリジナル商品は裄の長い男性にもお楽しみいただきやすいよう<広巾>でお作りしている点もご好評いただいています。
普段使いはもちろんのこと、観劇や会食、茶席、家族のお祝い、夜のバーなど、紬やお召よりもドレッシーに着こなしたいシーンにもおすすめです。