「菊池宏美展~江戸小紋の姿情~」《終了しました》
会期:2023年9月15日(金)~17日(日)
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師である藍田正雄氏の江戸小紋に魅せられ、門を叩き修行、そして独立。
「心技体、この道で生きていく全てを伝授いただいた。自分の江戸小紋をつくり続けることが、今は亡き師をはじめ、出会えた方々へのご恩返しです」と語ります。
奥ゆかしさの中に漂う品格、その姿情は正に江戸小紋の真髄。
この道を歩み25年、今が正念場、その覚悟の証をご覧ください。
工芸展出品作品をはじめ、並巾、広巾着尺、九寸帯、額裏など、限定21点を一堂にご紹介いたします。
コーディネートについて
【菊池宏美】「茣蓙目」の牛首紬江戸小紋で、秋の旅行へ
牛首紬地に後染めした「茣蓙目」の江戸小紋。
暑がりの方には「単衣仕立て」や「胴抜き仕立て」がおすすめです。
「茣蓙目」は、大判小判の表面に刻み込まれ、畳の筋目模様でもあります。
「牛首紬」は、釘が抜けるほど丈夫な例えから別名「釘抜紬」とも言われ、男性ならではのタフな動きにも最適。
絹織物随一といっていいほど強靭な「牛首紬」の白生地に染められた「茣蓙目」は、なんとも言えない絹ならではの豊かで奥深い光沢を発します。
変わり格子地紋のお召を単衣羽織に、シックながら遊び心ある首里花織のリバーシブル角帯を合せて。
シワを気にせずコンパクトにたためるため、秋の旅先のお供にも。
【作家コメント】
江戸小紋 牛首紬「茣蓙目」(広巾)
畳表の織り模様を文様にした“茣蓙目”。
太めの線が整然と並びます。
もともとは引き彫りの技法で彫られる縞模様ですが、独立した2011年に今は亡き錐彫りの名手 六谷泰英氏に道具彫りで彫って頂きました。
私には、男性向きに感じましたので、広幅に彫って頂きました。
線の太さがキリリとした表情を見せてくれ、紬との相性も良いなと感じます。
彫り師:六谷泰英
【工房見学に行ってきました】
群馬県伊勢崎市にある菊池さんの工房「よし菊」を訪問。師・藍田正雄さんから譲り受けた宝物であるモミの木の長板や、制作の様子をぜひご覧ください。
>>工房見学レポートはこちらから
菊池宏美さんについて
江戸小紋の第一人者・故・藍田正雄氏に師事後、独立。現在は個人工房「よし菊」にて新たな江戸小紋の世界を広げ、伝統工芸展で数々の入選を重ねる実力派。藍田氏の「今のものを作れ」「平成の江戸小紋を」という言葉を胸に、 今の時代に映える江戸小紋の創作に果敢に取り組んでいらっしゃいます。 大学を卒業後、大手電機メーカーに入社し第一線で活躍していたある日、藍田正雄氏の作品に出会って運命を感じ、すべてを投げ打って弟子入りを願いました。約13年間の修行の後に師の言葉に後押しされて独立、5年後の2016年には銀座もとじでの初個展を開催。型紙の選び方や扱い方、染のトーンと色使い、生地との組み合わせなど、昔ながらの伊勢型紙の紋様をベースにしながらも、創造性あふれる新しい江戸小紋を作られています。
【作家産地】「菊池宏美」ご紹介