《男のきもの シーズナルコレクション》
2024年夏「モダンボーイ」
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1920~30年代、大正デモクラシー以降の自由な時流と、産業化が急速に進み、伝統的な手仕事から大量生産・大量消費へ移り変わる時代。
銀座を中心に、当世風で新し物好きな青年たちは暮らしの中に積極的に欧米のスタイルを取り入れ、『モダンボーイ(モボ)』と呼ばれるようになり、『モボ』の言葉とイメージは全国に広まった。
そこから約100年を経て、大量生産・大量消費の時代の反省と、手仕事への回帰が見直される昨今。モノが溢れる今の時代だからこそ、手仕事で一つ一つ作られた着物はモダンであると考える。
銀座の地から、現代のモダンボーイに提案するコレクション。
着物、帯、浴衣などのラインナップで発表。
コーディネートについて
【男のきもの シーズナルコレクション】【山崎広樹】抽象絵画のような角帯「混沌」を主役に、夏の食事会へ
染色家・山崎広樹さんと制作した銀座もとじオリジナルの角帯「混沌」は、抽象絵画のようなモダンな作品。個性的でありつつ、合わせる着物によって草木染による様々な表情が引き出され、不思議となじみコーディネートしやすい一品です。夏向きのシャリ感のある紬素材で重い印象にならずに、単衣から盛夏を通してお楽しみいただけます。
今回は、すっきりとした白亀甲の夏大島に合わせて爽やかさに。夏大島も単衣から盛夏に長くお召しいただけとても重宝する着物です。
薄羽織は青の紋紗で清涼感をプラスして。
着物仲間とのお食事に。
《男のきもの シーズナルコレクション》
【山崎広樹】染角帯 草木染「混沌」
【作家コメント】
今回は松煙、ヤマモモ、インド藍を使用しました。
染色工程は布をランダムに畳み、その上から松煙の液を垂らして染み込ませる手法で行いました。
昭和初期、流行した芸術運動「シュールレアリズム」の偶発的な表現技法の”デカルコマニー”を念頭に置きながら、ランダムに布を折り畳み、予想がつきにくい方法で染め重ねていきました。インド藍は発酵液を垂らした後に速やかに水で洗い酸化させることで染色を行いました。ヤマモモは、生地に糊を挟んで折り畳むことにより不規則な形で糊置きをし、引染をして染色しました。
混沌とした時代背景を反映しつつ、自由な芸術の勢いや挑戦した精神にも取り組みたいと思い制作しました。染料の流れる力によって模様を生み出してもらう気持ちで染めました。私自身にとっても新しい技法に挑戦できたこと嬉しく思います。
<染料>松煙、ヤマモモ、インド藍
山崎広樹 Hiroki Yamazaki
染色家/草木染作家
1988年神奈川県川崎市生まれ。2011年東京農業大学国際バイオビジネス学科卒業。2013年父・和樹主宰の草木工房で草木染の研究を始める。2015年「第18回岡本太郎現代芸術賞」に入選し、川崎市岡本太郎美術館で展示を行う。2016年松原染織工房で松原與七氏より型染を学ぶ。2018年「銀座もとじ 男のきもの シーズナルコレクション2018秋冬」に参加し、型染の帯を出品。銀座もとじ店舗内で糊置の実演パフォーマンスを行う(2019春夏、2019秋冬、2020春夏、2021秋冬、2022春夏も参加)。2019年「中国杭州天然染色会議」に参加、父と共にワークショップを行う。岡谷市蚕糸博物館の展示会に型染帯を出品する。2020年高崎市染料植物園の展示会に型染帯を出品。銀座もとじ「草木染の継承展 山崎青樹・和樹・広樹」で型染帯を出品。2022年より東北芸術工科大学非常勤講師。