羽織紐 <実用+おしゃれアイテム>
羽織を着たときに前を止めるための紐を「羽織紐(はおりひも)」といいます。古くは、紐を直接襟に縫い付けた形だったようですが、通常は紐部分が独立したいるものを取り付けて使用します。このため、羽織紐は自由に取り換えておしゃれを楽しむポイントにもなります。

羽織紐にはデザインや種類ごとに多彩なものがありますが、取り付け方法で大別すると次の2種類があります。
結んだ状態で完成している羽織紐を、S字状の金具を使って羽織の「乳(ち)」に取り付ける形状のもの(右上の写真は一例)。
金具を使わず羽織紐を携帯電話のストラップと同様の手順で先に羽織に取り付け、羽織を着た後で自分で結ぶもの。

2.の紐は「直付(じかづけ)」といって、羽織紐の結び方をマスターする必要がありますが、1.は誰でも簡単に取り付けることができます。着物通の方は着姿がスッキリと見える2.のタイプを選ばれることが多いようですが、デザインによっては「無双(むそう)」と呼ばれる(紐の中央に玉などをあしらったデザイン)ものなど、1.のタイプのみとなるものもありますので、着用する目的や好みに応じて羽織紐を選んでください。

紐の形状にも丸いものと平らなものがあり、房の有無や房の形状も様々なものから選ぶことができます(房のないタイプは「一文字」または「ツッコミ」などとも呼ばれています)。
房のあるものがフォーマル向き、その他はカジュアル用途とされますが、純フォーマルな場所でのご利用を除いては、好みと着用目的に応じて自由にお選びいただけます。羽織紐は、着物姿のアクセントとなる部分なので、よく検討してお気に入りを探してください。
いろいろなタイプの羽織紐
*豆知識*
羽織紐の一方にある環状の輪の部分を「坪(つぼ)」といい、通常、この部分の輪の大きさは、その紐を二つ折りにして輪の中にギリギリ通るサイズになっています。この輪が大きすぎると、取り付けたときの見た目にも影響するためです。