長板中形・松原伸生~「プラチナボーイ」と「もとじ綿」の“白生地”を工房までお届け~

長板中形・松原伸生~「プラチナボーイ」と「もとじ綿」の“白生地”を工房までお届け~

2012年11月28日 
「プラチナボーイ」と「もとじ綿」の“白生地”を工房までお届け

2013年5月、銀座もとじにて3度目となる長板中形の藍型染作家 松原伸生さんの「銀座もとじ 和織・和染」「銀座もとじ 男のきもの」での作品展の開催が決定いたしました!“一本の糸から”素材にこだわった、顔の見えるものづくりをご紹介いたします。

見応えある紅葉が美しい11月下旬、自然豊かな中に構えられた松原さんの工房を訪れると、山々を背景に望む広い庭には、真夜中にモグラたちが、やんちゃに遊びまわった穴の跡が、あちこちに残っていました。いのししや鹿も姿を表すという自然の中で、澄んだ水とたっぷりの太陽の光を受けながら、「長板中形」の作品は生まれます。
工房近辺の風景

浴衣の代名詞、「長板中形(ながいたちゅうがた)」

工房の内観
「長板中形(ながいたちゅうがた)」とは、江戸時代の寛文年間(1655~1672)のころより現代に伝わる「浴衣」の代名詞。6mほどの細長い板に生地を乗せ、「型紙」を用いて柄に合わせて糊を置き、本藍で染めていく、熟練の技を要する伝統工芸として、今日に受け継がれています。現代においては、上質で通好みな夏のきものとして、浴衣そして単衣としても楽しまれています。
銀座もとじでは、<素材から>こだわったものづくりを目指しています。作り手の方々にとっては、はじめての糸、はじめての生地となることもあり、より作り手の技の良さが素材の中に活きる作品となるよう、細部に渡りご相談しながら作品づくりに取り組んでいただいています。
プラチナボーイの白生地

今回は、前回に引き続き2度目の制作のお願いとなる「プラチナボーイ」と、今回初めて挑戦いただく素材となる「もとじ綿」の、糸から織りあげられたばかりの真っ白な“白生地”を工房にてお渡ししました。

作品づくりの生命線、「型紙」

型紙
「長板中形」作品になくてはならない「型紙」。和紙3枚を柿渋で貼り合わせて、天日乾燥・燻煙を繰り返して作られることで、「紙」という概念を超えた、水に強く彫りやすい材質となり、そこにさまざまな精緻な絵柄が彫り上げられます。

その歴史も古く、江戸時代中期に現在の三重県鈴鹿市白子・寺家地方において、紀州藩の保護を受けながら、江戸小紋や長板中形の型染めに用いられる「伊勢型紙」として全国的に知られ、発展してきました。長板中形や江戸小紋の作家の方々にとって、型紙は、作品づくりの生命線です。松原さんの工房でも希少な型紙の数々が大切に集められており、さまざまな型紙を見せていただきました。

長板中形

プラチナボーイと「型紙」選び

前回の展示会においても、プラチナボーイの絹布に染めていただいた松原さん、プラチナボーイの優れた性質を捉えられ、その良さに適した「型紙」の絵柄をお考えくださっていました。

「プラチナボーイは、しっとりとした本当にいい生地です。絹に必要なある程度の重みがあり、織り目正しく、体により添うように馴染みます。また、とても品があり、質の良さが際立つ生地だと、わたしは思います。

プラチナボーイと松原伸生

また、光沢感が素晴らしいので、プラチナボーイの光り方の良さを活かせる型紙が良いのではと考えています。」

と、松原さんがぜひプラチナボーイの生地にとご提案下さった型紙があります。それはそれは「型紙」としての力強い存在感のある、大変な手間暇をかけて掘られた作品で、その技法はどのように掘り上げられたものか想像しがたいほどに精緻でありながら、大変躍動感のある活き活きとした見事な一枚。

次回のレポートでは、5月のものづくりへ向けての「型紙選び」についてお伝えします。

また、「もとじ綿」の作品づくりには今回初めて挑戦いただきます。極細の糸によるしなやかで上質な肌ざわりの綿に、松原さんの手によってどのような表情で藍が染め上がるのか、ぜひご期待下さい。