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日本伝統のファストファッション浴衣。藍色が多い理由とは?

夏の風物詩ともいえる浴衣。着物よりも比較的簡単に着付けができるうえ、お手入れもしやすく、手ごろな価格で購入できることから、ファストファッションのような感覚で老若男女問わず親しまれています。そんな浴衣の定番カラーのひとつが藍色(紺)。藍色の浴衣のルーツは江戸時代にまで遡りますが、なぜこのような長きにわたってスタンダードとして定着するに至ったのでしょうか?今回は、そんな浴衣と藍色の関係についてご紹介します。

入浴の必需品だった浴衣

浴衣の原型は、平安時代に入浴の際に着用されていた和服の一種・湯帷子(ゆかたびら)とされています。生地はもともと麻でしたが、江戸時代に入ると、国内の綿花栽培の普及等に伴って木綿に変化。さらに、銭湯の普及とともに浴衣の需要が拡大し、役割も入浴後に羽織って水分を拭きとるバスローブのようなものにシフトしていきます。当時は中形の型紙を用いた絵画的な模様が多く、江戸っ子たちはその柄で粋を競い合っていたのだそう。

江戸時代中ごろからは庶民の夏の普段着として定着。ただし、この頃はあくまで家着であり日中の外出着として広がるのは明治時代以降のことになります。

ほかにも浴衣は、雨具や女子の長旅用の塵除けコートとして着物の上から羽織ったり、襦袢の代わりにしたりすることもあったといいます。

喜多川歌麿/メトロポリタン美術館)

 

浴衣に藍色が多くなったきっかけは幕府の禁令だった!?

藍は"人類最古の染料"と称されるほど長い歴史を持っており、現存する最も古いものとしてはエジプトのピラミッドから発見された4~5千年前の藍布が知られています。 日本においても奈良時代にはすでに存在しており、正倉院宝物のひとつ"縹縷(ハナダノル)"と呼ばれる藍染めの絹紐などが残されています。

そんな藍が浴衣に使われるようになったのは、江戸時代中ごろ。当時は、幕府からたびたび発布された贅沢禁止令によって、高価な絹や派手な色柄の衣服を身につけることが禁じられていました。そのため、庶民の間に安価な木綿生地を藍一色で染めた浴衣が普及するようになったそうです。

藍染めが盛んだった神田紺屋町の風景。(歌川広重/メトロポリタン美術館)

江戸っ子が重宝した藍の優れた効能

藍染めが浴衣の定番カラーとして定着した理由は、幕府の贅沢禁止令に因るものが大きかったと言えます。けれども、さらに後押しになったと思われるのが、藍の効能です。

天然の藍(本藍)で染められた布は、解毒や殺菌、防虫などの効果があるとされ、戦国時代の頃から医療目的で使われることがあったそうです。江戸時代においては、浴衣のほかに野良着(農作業用の和服)、蚊帳、手ぬぐい、産着、おしめなど日常の品々のほか、強度があり、かつ温度変化への耐性にも優れていたことから、火消しの衣服にも使われていました。

このような機能性の高さを考慮すると、藍染めの浴衣は虫除けなど実用的な理由からも重宝されていたと考えられます。

明治時代以降になると、外国人から"ジャパンブルー"と称されて日本を象徴する色となる一方、インド藍や合成藍などといった海外のものが台頭。伝統的な本藍の出回る量は少なくなりましたが、藍が生活と密接に関わっていた江戸時代からの名残で、今でも藍色は私たちの身近な色であり、また浴衣のスタンダードとして愛され続けています。

藍色の浴衣で楽しむおすすめコーディネート

ここからは、藍色の浴衣を使ったコーディネートをご紹介します。


女性コーディネート


藍色の浴衣なら、可愛らしい帯を合わせても甘くなりすぎず大人可愛い雰囲気に。
浴衣:綿麻 雪花絞り 花亀甲
帯:須賀恭子作 半巾帯


八寸帯を合わせて着物風に着こなすのも素敵です。
同系色でまとめて涼感あふれる装いに。
浴衣:綿紅梅 舞菊
帯:八寸名古屋帯 羅 横段


黄色のラインがポイントの格子の帯を合わせて。
藍色同士なら柄オン柄もすっきりとまとまります。
浴衣:綿縮 雪輪唐草
帯:八寸名古屋帯 綿麻 夏秦荘

男性コーディネート


伝統柄の綿コーマ浴衣に博多献上の角帯は定番の組み合わせ。
江戸の粋を着こなして、縁日やお祭りに出かけたくなる装いです。
浴衣:綿コーマ かまわぬ×斧琴菊×吉原繋ぎ
角帯:博多献上 白地


全体を同系色で統一したワントーンのコーディネートですっきりと都会的に。
浴衣:絣風 縞柄
角帯: 博多織 一本縞


手仕事の絞り染めの浴衣に自然布の角帯を組み合わせて、ひとつ上の夏の装いです。
浴衣:綿麻 小手雲絞り
角帯:科布  無地

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女性のきもの:03-3538-7878
男のきもの:03-5524-7472

いつの時代も色あせることのないタイムレスな魅力を放つ藍色の浴衣。ベーシックなカラーなので、コーディネート次第でどんな着こなしにも挑戦しやすい点もメリットです。この機会に改めて先人から受け継がれてきた伝統カラーの浴衣で、夏の洗練されたファストファッションを楽しんでみてください。

>>大人の上手な浴衣選びの方法はこちら<<

【参考資料】
菊地ひと美『江戸衣装図鑑』(東京堂出版)
日本藍染文化協会編『日本の藍 伝承と創造』(NHK出版)
木村光雄監修・他『藍染めの歴史と科学』(裳華房)
NHK鑑賞マニュアル「美の壺」




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