※こちらは2006年に公開した記事です。
2006年3月7日(火)〜8日(水)の2日間、店主の泉二が山形県赤崩の山岸幸一氏を訪ねました。その模様を皆様にご紹介致します。山岸幸一氏 『紅花寒染め』を訪ねて
午前3時30分、「2時間しか寝ていないよ〜」と嘆く人。半分寝て半分起きているような人。みんなに共通して言える事は「ぼへ〜」としていたと言うことでした。そのままの状態で車に乗り込み山岸さん宅へ向かいます。 山岸さん宅へ到着。欠伸をかみ殺しつつ車を降りたとたんに凍てつく寒さ!目と耳が一気にキ〜ンとなって全員目がパッチリ。そのまま作業場へ向かいました。重ね着の上に厚いコートを着込んだ私達を待っていたのは、藍染めの作務衣着用の山岸さん・・・。私達、ホカロン4枚以上貼ってます・・・。 いよいよ寒染めの始まりです。湯漬けした糸を取り出して脱水機に掛け、手でさばいて空気を含ませます。糸を空気に晒すと色素が入りやすくなるからです。そして干し棒にかけます。
紅の抽出液に烏梅を入れて行きます。色素をアルカリ性にしておかないと糸の芯まで染まっていきません。そして最後に弱酸性にして定着させます。 山岸さんが使っている烏梅は中西さんが100日間熟成させて作ったものなので香りが残っています。
烏梅を入れた液に糸をつけて染めていきます。
染めて紅液の中で糸を繰り搾ってさばいて空気に晒し干し棒に下げます。


1回の染が終わるごとに、染液に烏梅の液を足し、PHを自分の舌で計りながら紅液が分離しないようにします。右に3回、左に3回、S字に描いて最後は十文字を切って攪拌はを行います。そしてまた糸染め。糸を入れては繰り、繰っては空気に晒すために糸を回転させます。そして暫く染液に浸します。また糸を繰り、空気に晒すために回転させます。これを何度も繰り返して糸を引き上げます。 染液の調整、攪拌、糸染(糸繰り)、干すを繰り返し、3度目、4度目、5度目と染を進めて行きます。


最上川からの引き水を柄杓で汲み上げ、そこに烏梅と米酢を入れ先程の糸を浸し暫く置きます。最後に水洗いし、ざっと搾って、染めた糸を持って裏手の最上川に行き、最後に流水での糸洗いを開始します。
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