宮古上布に大切なのは「ブー」です。とおっしゃいます。良質で極細のブー糸が、トンボの羽と例えられるような軽くて、しなやかな極上の宮古上布を生み出すのです。ブーを刈り取る絶妙のタイミング、爪の先で裂く髪の毛よりもずっと細いブーの繊維を績む技術。
さて、後半はいよいよ意見交換です。
「伝統的な、藍の宮古上布を作り続けてほしい」「生成り地や、自由な発想をとりいれた新しい宮古上布も着てみたい」「天然の染料を大切にしてほしい」など、参加者の皆さんからは、次々とご意見があがりました。
「今は、個性や好みは多様化しているのだから、宮古上布の進むべき道も多様であっていいのではないでしょうか。重要無形文化財指定や、伝統工芸品認定の伝統的な技法が好きな方もいるし、自由な発想のもの、新しい感性のものが好きな方もいる。好みが多様化する中で、購入する私たちが選ぶことができる。少ない中にも選択肢がある。ということがうれしいのではないかと思います。柄についても、流行を全ての作り手さんが追随してしまうのではなく、伝統を守り続ける人もいる、そして、時代に求められるものを取り入れる人もいる。作り手さんが、自分の得意分野を生かしてとり組むことが、結果として、私たちに喜びと楽しさを与えてくれるのではないでしょうか」
こういったご意見を聞き、そして、自分達が手探りで歩んできた道のりは間違っていない。とそれぞれの作り手さんは、参加者の皆さんから頂く、心強い後押しを勇気に変えていらっしゃる様子でした。
着物をよくお召しになる参加者のお客様からは、今回試作品としてお持ち頂いた生成り地や草木染めの柔らかな色合いの上布、小さい飛び柄のかわいらしい絣の入った帯地などに「着てみたいわ」「素敵ね」とご意見が寄せられました。「宮古上布の柄だけが、宮古上布ではないでしょう。涼しくて、着易い、夏の着物はぜひ着てみたいわ」なども印象的なご意見でした。
「これから伝統を引き継いでいく宮古島の若いつくり手さんには、自由で遊びのある作品づくりが大切だと思います。作る楽しみ、喜びを感じることができ、創作意欲が湧いてくるのではないかと思うからです。技術に裏付けされたものであれば、色や柄などは、独創的なものがいろいろあったほうが、消費者も楽しいと思います。」との力強い応援のメッセージもありました。
一方で、「宮古上布が高価で、希少価値の高いものなのだから、商標も消費者にとっては大切な目安になっていることも確かです。好みを重視して購入する場合でも、宮古でつくられたものへの表示をわかりやすくしてください。」とのご意見もありました。
「琉球王朝へ上納布として、納める前は、宮古島にも、今の宮古上布だけではない、琉球絣のもとになったような多種多様な柄や色もあったようです。
宮古上布の歴史
今から450年前もの昔、琉球の進貢船が台風に遭い沈没寸前となったおり、ちょうど乗り合わせていた宮古の洲鎌(すがま)の与人(ゆんちゅ)、下地真栄(しんえい)という男が勇敢にも海に飛び込み船の故障をなおして、乗組員全員の命を救ったことに端を発します。このことが琉球王の耳に入り、真栄は最高位を授かるのですが、それを喜んだ妻の稲石(いないし)が、心を込めて布を織物にして王に献上したことが、宮古上布が世にでるきっかけとなったといわれています。その美しさゆえに宮古上布は、琉球王府、薩摩藩の上納布(貢納布)として至難の歴史を歩むことになります。大正の末になって流行し、第二次世界大戦後、今の名称となりました。 宮古上布は、日本麻織物の最優秀品として着尺の王座を占め、1921年から数々の賞を受賞し、日本織物界の粋として数々の栄誉を受けています。1978年国の重要無形文化財に認定、2003年には、糸績み技術が、国選定保存技術になっています。宮古織物事業共同組合資料より引用
名古屋帯
袋帯
紬・綿・自然布
小紋・江戸小紋
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浴衣・半巾帯
羽織・コート
肌着
小物
履物
書籍
長襦袢
小物
帯
お召
小紋・江戸小紋
紬・綿・自然布
袴
長襦袢
浴衣
羽織・コート
額裏
肌着
履物
紋付
書籍