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《永久保存版》今すぐできる!「綿や麻の着物と襦袢の洗い方」

2019年8月4日(日)に開催したお手入れ講座の内容を、好評につき一部公開いたします。

汗をたくさんかいた日は、肌着だけでなく襦袢や着物も水洗いしてさっぱりしたいですね。
綿や綿麻、麻素材の着物や襦袢はご自宅でもお洗濯が可能です。
春夏秋冬を着物で過ごす一級和裁士のスタッフより、日常的に実践している簡単なお手入れ方法をご紹介させていただきました。
ご自宅でのお手入れ方法を身につけて、汗ばむ季節も着物でのお出かけを楽しみましょう。

着用直後のお手入れ

汗汚れはお洗濯で洗い流すのが一番ですが、着物は着用のたびに洗うのも大変ですし、色あせを防ぎ風合いを維持するためにも洗濯回数は最低限に抑えたいところ。まずは着用直後のお手入れで、汗じみやシワの応急処置をほどこしましょう。

《永久保存版》今すぐできる!「綿や麻の着物と襦袢の洗い方」
気になるシワに霧吹きし「手のし」

《永久保存版》今すぐできる!「綿や麻の着物と襦袢の洗い方」
たっぷり濡らし、タオルに汗を移しとる

(1)着物ハンガーにかける。
(2)シワになった部分に軽く霧吹きし、両手のひらで生地を挟んでプレスし「手のし」する。カルキは色褪せの原因になるので水道水を浄水したものを使用。ミネラルウォーターも避ける。また霧吹きの水はお手入れのたびに入れ替えて新鮮なものを使用すること。
(3)帯を巻いた部分などたくさん汗をかいた箇所はたっぷりと濡らし、二枚のタオルで生地を挟んで押さえ、水分を吸いとる作業を2〜3回繰り返す。
(4)一晩から一日位さぼす(=風通しの良い場所に干す)。シワが気になる時は、湿った状態で着物を本畳みし衣装敷きなどに挟み、厚めの本などの重りを載せて「敷きのし」する。

長襦袢の洗い方

初めての方は、まず襦袢のお洗濯から試していただくのが良いでしょう。衿芯のタイプが、差し込み式やバイアス衿芯使用のものでしたら水洗いできます。三河芯は水洗いで波打ってしまうことがありおすすめしません。また、綿や麻の繊維は濡れると縮む性質があるため、仕立てる前にあらかじめ縮ませておく「地詰め」をしておくことが大切です。

※ 銀座もとじでは、綿・綿麻・麻素材の着物や襦袢は必ず地詰め(水通し後手仕上げで生地を整える)を行なっています。
※ 地詰めをしているか不明の襦袢のお洗濯は十分にご注意ください。

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汚れやすい半衿が表側に出るように畳む

《永久保存版》今すぐできる!「綿や麻の着物と襦袢の洗い方」
洗濯ネットは程よく余裕のある大きさを

(1)長襦袢を袖畳み※し洗濯ネットに入れる。洗濯機の弱水流(ドライモードや手洗いモード)を選び中性洗剤で洗う。
※袖畳み・・・略式の畳み方。着物の背を内側に折り、両袖を合わせて袖付けのあたりで折り返します。
(2)軽く脱水(ドライモードや手洗いモードの脱水)後、着物ハンガーにかけ、シワをのばし整える。力加減は「縦8割、横2割」の気持ちで、縦方向はピンと生地を張りしっかりと伸ばし、横方向は力を入れすぎずに整える。縫い目も洗い縮みしやすいのでピンと引っ張り伸ばす。袖や衿の縫い込み部分は拠れを直し、衿元はシワを伸ばした後手のひらで丁寧に整える。
(3)8割がた乾いたら、袖畳みをし衣装敷きなどに挟み、厚めの本などの重りを載せて「敷きのし」する。完全に乾いてしまった場合は、霧吹きで少ししめらせてから行う。
(4)数時間後、もう一度着物ハンガーにかけて湿気を完全に飛ばす。

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縦方向はしっかり伸ばす

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横方向は伸ばしすぎないよう優しく

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袖や衿の縫い込みの拠れを直す

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衿の表面を手で叩きなじませる

着物の洗い方

長襦袢で自信がついたら、着物のお洗濯にも挑戦してみましょう。着物は長襦袢以上に、仕立てる前にあらかじめ縮ませる「地詰め」をしておくことが大切です。また、ご自宅でお手入れ予定の場合は、仕立ての際に洗い縮みしない糸で縫ってもらいましょう。
譲り受けた着物などは、地詰めしていなかったり水洗い対応の糸で縫っていない場合もあるので、お手入れはプロにお任せした方が安心です。
洗う手順は長襦袢の時とほぼ同じですが、洗濯後に生地を整える作業はより慎重に。シボのある麻着物の裄丈が短くなったり、逆に伸ばしすぎて長くなったりしないようご注意ください。

(1)衿先や共衿の中が拠れないよう糸で止めつけておく。袖畳みをし洗濯ネットに入れる。洗濯機の弱流(ドライモードや手洗いモード)で中性洗剤で洗う。袖畳みをすることで、衿の汚れも水流に当たりやすくなる。
(2)軽く脱水(ドライモードや手洗いモードの脱水)後、着物ハンガーにかけ、シワを取り整える。広衿の場合は、乾きやすさ優先で衿を広げた状態で良い。襦袢同様に「縦8割、横2割」の気持ちで、縦方向はしっかりと力を入れのばす。シボのある着物は横方向に伸ばし過ぎないよう注意。縫い目や袖の縫い込み部分、衿部分は丁寧に整える。
(3)8割がた乾いたら「敷きのし」をする。丁寧に本畳みをして衣装敷などに挟み、厚めの本などを載せて数時間置いておく。完全に乾いてしまった場合は、霧吹きで少ししめらせてから行う。
(4)着物ハンガーにかけて湿気を完全に飛ばす。

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シボや絞りに注意して「縦8 横2」の力加減で

《永久保存版》今すぐできる!「綿や麻の着物と襦袢の洗い方」
前日から敷のしして仕上げた、20年愛用の能登上布

糊付けについて

麻の着物は繊維自体に張りがあるため、糊付けはほとんど必要ないかと思いますが、綿や綿麻の浴衣など柔らかな素材の場合は、お好みで糊付けしシャッキリと仕上げるのも良いでしょう。洗濯糊は栄養豊富なため、長期保管の場合はカビの原因になります。シーズンが終わり来年まで着用しない、という時のお洗濯の際に洗濯糊を使用しない方が安心です。また、洗濯糊を使用した後は洗濯槽もよくすすいでおきましょう。

(1)洗面台などに水を張りシャツ3枚分くらいの液体洗濯糊を溶かし、洗濯後の着物を漬け込む。
(2)洗濯機で軽く脱水する。(10秒程度で良い)
(3)着物ハンガーにかけて、シワを取り整える。
(4)8割がた乾いたら、本畳みをして衣装敷などに挟み敷きのしをする。
(5)着物ハンガーにかけ完全に湿気を飛ばす。

大切な着物を守るために 

講座の最後には、大切な着物を末長く楽しんでいただくためのお助けアイテムをご紹介させていただきました。

おすすめアイテム 綿100%の白衣裳包み

和紙のたとうで着物を保管されている方も多いと思いますが、和紙は実は湿気がこもりやすく長期保管には向きません。着用頻度の低いお着物や、留袖や喪服、振袖など長期保管したいお着物は、通気性が良い布製のたとうがおすすめです。
※ご使用前に必ず一度洗って十分にノリを落としてから使用してください。

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布製のたとう(白衣裳包み)を広げた状態。包み方は紙たとうと同様。

綿100%の白衣裳包み(税込1,100円)はオンラインショップで販売しております。

白衣裳包み 商品ページ

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