銀河さんは当店の顧客様でもあります。当日は、先日お求めいただいたグレーと黒の大胆な横段模様の夏大島を、 さらりと格好よくお召しでございました。その粋な着物に身をつつみ、 手をひざに乗せ、深く息を吸い、目を閉じて、ゆっくりと語り始められました。 朗読は約40分間続けられました。話も佳境に入り、銀河さんも乗られてくると、全身から迫力が伝わってくるかのよう。 時折ちらりと上げる鋭い目、首の角度、口のかたち、すべてが力強く、圧倒されます。 朗読ではあるけれども、耳をふさいでいたとしても、その表情を見ているだけで何か起こっていることを感じる、 伝える力に心奪われました。
吸い込まれるような語りの集中が解けて、ほっとしたところで、軽食を。 今回は「築地天むす」のさまざまな具が入った詰め合わせとワイン、日本酒をお楽しみいただきました。 店主泉二が銀河さんに「開運なんでも鑑定団」の冒頭のナレーションをリクエストしたところ、 快く引き受けてくださり、会場は深い美声に酔いしれました。
また泉二が入荷したての天蚕糸の着尺を持ち出して、即席鑑定団としてお客様に鑑定をしていただきました。 男のきもの店長江森が司会、泉二が持ち込んだ人という配役。 結局、価格はお問い合わせくださいということになりましたが、会場は大変賑わいました。
東京・京橋の老舗すし店、「京すし」四代目店主、岡田親さんの作品です。独学で描き始め、40年間で描いた 錦絵は1000点にも及ぶそうです。秋には岡田さんをお迎えして「火消し 江戸の気風」の会も予定しておりますので、 ぜひご期待くださいませ。
本当に笑いのたえない、楽しい会となりました。銀河万丈さんのお人柄と、深くひびく美声、スタッフ一同もますます ファンになってしまいました。ゾクッとする結末に涼を感じた夏のひと夜。お越しくださいましたお客様もご満足いただけていればと願っております。
銀河万丈さんは定期的に朗読会もされています。ぜひ皆様足を運ばれてくださいませ。