店主 泉二弘明のおすすめの逸品 岡本隆志作 型絵染め 角帯 紬 「幾何学文 グレー×アイボリー×茶」
今月の泉二弘明のおすすめの逸品は、型絵染め作家・岡本隆志さんによる、型絵染めの角帯作品をご紹介いたします。 岡本隆志さんは、1943年、静岡県浜松市で、染物業を営む家に生まれました。1962年には、型絵染の人間国宝 芹沢銈介氏の門下生となります。 1968年に独立した翌年、同じく芹沢銈介氏の門下生だった紘子さんとご結婚されます。そして、現在、お二人は山深い自然豊かな湯河原にある工房でものづくりをされています。 銀座もとじでは、2016年2月11日(木・祝)「型絵染め 岡本紘子・隆志二人展」を開催いたします。お二人ならではの作品世界をぜひご堪能いただければと願っております。 「型絵染(かたえぞめ)」とは、染色工芸家の芹沢銈介(せりざわけいすけ)氏が、1956年に人間国宝に認定された際に、室町時代末期から続く、日本の伝統的な染色技法のひとつである「型染(かたぞめ)」と区別するためにあらたに生まれた言葉です。技法的には沖縄の紅型ともよく似ています。
今回ご紹介の逸品は、岡本隆志さんの幾何学的な紋様と個性あふれる色彩構成の遊び心あるデザイン性の角帯。厚すぎないさらりとした程よい厚みの紬素材は、経緯に節糸を感じる表情。その素材感の味わいある表情が柄と重なり合い、柄行に凹凸や味わいを感じさせて豊かに演出されています。
