店主 泉二弘明のおすすめの逸品 日本刺繍作家 森康次作 羽衣薄羽織 薄羽織「羽衣 菱繋ぎ文」、「羽衣 四角文」
今月の泉二弘明のおすすめの逸品は、昨年の4月、日本刺繍作家の森康次さんの個展を開催した際に制作いただき、好評を博した「羽衣羽織」のご紹介です。春の装いを軽やかに彩り、大人の上品な着姿を演出する「羽衣羽織」による特別企画を開催しております。蝶の羽を思わせる薄手の織物にほどこされた奇跡のような刺繍の技
「羽衣羽織」、それは、天上を優雅に舞う天女の衣のような、羽毛のごとく軽やかな薄手に織られた透明感ある織物に、繊細で品のある刺繍をほどこした、息を飲むほどに美しい羽織作品です。 柔らかで上品な地色に森氏の繊細で巧みな刺繍の技が際立ちます。文様は全てオリジナルデザインの刺繍。昨年の森康次氏の個展催事で初お披露目した羽衣作品への、お客様の熱いご要望にお応えし、今回は、店主泉二自ら生地の機場に出向き、織りから関わり、待望の限定販売を実現しました。春の装いを軽やかに彩る大人の上品なきもの姿を演出する羽衣羽織を男女限定5点ずつ、制作いたしました。 蝉の羽根を思わせるような透明感のあるしなやかな透け感。清々しい品格がお召しになる方の身体をそっと包み込み、心まで澄み渡るようです。極上の薄衣、幸福な時を感じていただける薄羽織です。日本刺繍作家 森康次作 羽衣羽織「菱繋ぎ文」、 「四角文」
羽衣羽織「四角文」
こちらは上品な淡いグレーに染められた薄衣に施された、四角文の彩りのセンスが絶妙に美しく、刺繍の技の見事な羽衣羽織の作品です。チャコールグレーやグレー、グリーングレーの微妙な濃淡の優しい彩りで、ひとつひとつ、柄行の配色を違えて表現しています。一針一針に思いを込められながら表現された四角文の意匠も魅力的です。中央の小さな四角の周りにひとまわり大きな四角が線でほどこされ、そこ上に4枚の風車の羽のような四角を配した意匠は、刺繍糸の濃淡を変えた美しいグラデーションで表され、大変品があり、お洒落な作品に仕上がっています。刺繍糸の彩りの繊細な変化と細部にわたる緻密な繍技には惚れ惚れしてしまいます。
羽衣羽織「菱繋ぎ文」
こちらは上品なグリーンベージュに染められた薄衣に、薄青、藤、クリーム、薄緑、白、ライトグレーの爽やかで優しい彩りで菱繋ぎ文が刺繍された作品です。奥行を感じさせる、繋がり合う菱の文様の確かな刺繍表現の美しさには、息を飲みます。繋がった菱飾りがくるくると回転しているかのような立体感と躍動感を感じられる意匠性も素敵な作品です。その極細の糸の風合いと、まるで手にしていないかのような軽さの中に表現された見事な刺繍の技と美しく品のある色彩の作品の上質なたたずまいに想像以上の感動を感じられることと思います。