プラチナボーイの「生掛」の真綿糸で織り上げた
贅沢な着心地を味わっていただきたい。
11月27日(金)~29日(日)に開催の「男のきもの 究極の結城紬展」に向けて、店主泉二がおすすめするのは、雄だけの蚕 プラチナボーイの繭による「生掛」の結城紬です。
いつか「生掛」の結城紬を
生掛(なまがけ)とは、繭を乾燥させず、生の状態で煮出して袋真綿(糸を紡ぐ前の状態)にすること。
「生掛(なまがけ)」とは・・・
一般的に繭は、保管しやすいよう熱風により乾繭(かんけん)にしたものを煮出して袋真綿にしますが、「生掛」は生の状態で煮出して袋真綿を作ります。蚕が蛹になり繭を打ち破ってしまう前にそれらの工程を行わなければならないため、生掛の真綿糸は大変希少です。
店主泉二が「生掛」の糸の存在を知ったのは20数年前。染色家の故・吉岡幸雄さんと、染織家の山岸幸一さんがそれぞれに、その素晴らしさを教えてくださいました。
「生掛の糸は最高だよ」
生掛の糸は強い。生掛の糸は光沢がある。
生掛の糸で織り上げた紬のしっとりとした艶めきと着心地を超えるものはない・・・
その話を聞いてから、店主泉二は「いつか生掛の糸で、最高の結城紬を作りたい」と思い続け、その夢が叶ったのは2006年。世界初の雄だけの蚕「プラチナボーイ」のプロデュースを国から託された年に、その貴重な繭を福島県・保原の真綿問屋・関根商店さんへお渡しして、結城紬の糸を紡ぐための真綿作りをお願いしました。
「真綿」作りの達人、“ヨネちゃん”こと佐藤米子さんは、その時の感想をこう話されています。
「プラチナ(ボーイ)は引き締まって引きにくいから手が切れちゃいそうだ。糸が強いから光沢が出るなあ、と思ったの。」
そして、真綿から糸を紡ぐ時も、機織りをする時も、プラチナボーイの糸の強さ、切れにくさ、艶やかさといった糸質の違いは、作り手の皆さんが口々に述べられていました。以来14年間、プラチナボーイで作る結城紬は全て「生掛」にこだわっています。
「無地」「縞」は結城紬の原点
プラチナボーイで作る結城紬のこだわりはもう一つ。それは、「無地」や「縞」柄であることです。明治以降、結城紬はいかに細かい絣柄を入れるかで凌ぎを削る時代を迎えましたが、江戸時代の旦那衆に愛され人気を博した「男の結城紬」は縞柄のシンプルなものでした。「質実剛健」な無地や縞は結城紬の原点であり、見た目の華やかさよりも素材の良さをより実感いただきたいという思いが込められています。
「素材の良さを存分に味わってほしいんです。軽くてふわっとした着心地と、ふとした時に感じるプラチナボーイの艶は、大変贅沢な気分にさせてくれるはずです」
寒い季節は、店主泉二もお気に入りの結城紬を毎日のように着ています。
「結城紬は、かしこまったものではなく、日常の着物です。丈夫な結城紬ですから、最高の着心地を毎日でも楽しんでいただけます」
その昔は、新品の結城紬は丁稚奉公に着させ、柔らかくなったところで主人が着る、という文化もあったほど。着込んで着たおし、洗い張りをしながら、何十年とかけて「布を育てる」楽しみも結城紬の醍醐味のひとつです。
一生を共にする最高の相棒を、「男のきもの 究極の結城紬展」でぜひお探しください。
男のきもの 究極の結城紬展 -作り手の情熱と手仕事が宿る織物-
会期:2020年11月27日(金)~29日(日)
場所:銀座もとじ 男のきもの、和織、オンラインショップ
<奥澤武治氏 在廊>
11月28日(土)、29日(日) 両日11:00~18:00
時代を超えても価値ある逸品、結城紬。
二千年の歴史の中で一際隆盛を極めたのが江戸中期以降。武士と町人の憧れの着物となり垢抜けた『嶋』が一世を風靡します。
今、再びモードは嶋(=縞・格子)、そして蚊絣・亀甲へ。
是非この機会に、あなたのこだわりを満たす一反と出会ってください。
《11/1》インスタグラム ライブ配信
茨城県結城市の「奥順株式会社 本社」から生配信にて、結城紬の歴史や魅力をご紹介しました。
配信日時:11月1日(日) 20:00~21:00頃
《11/28》ぎゃらりートーク《インスタライブでも同時配信》
‐江戸から令和へ、洒落着は男たちのモードからはじまる‐
奥順株式会社 代表取締役社長・奥澤武治氏をお招きし対談いたします。
※状況によっては、無観客でのライブ配信のみとなる場合もございます。
日 程 : 11月28日(土)
時 間 : 10:00〜11:00
場 所 : 銀座もとじ 和織
会 費 : 無料
定 員 : 15名様限定(要予約・先着順)
お問い合わせ:
03-3538-7878(銀座もとじ和織)
03-5524-7472(銀座もとじ 男のきもの)
メールでのお問い合わせ:
info@motoji.co.jp