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Vol.20 初めて着物を買うなら|男の着物人生、始めませんか

呉服屋はコンサルタント

初めて私どもの店にいらしたお客様が、「新年会に着て行きたいんだけど、どんなのを着たらいい?友達を驚かせたいと思って」と入っていらっしゃいました。その方の好みなどをお聞きして、羽織と着物を同系色の濃淡で選び、袴をおすすめしたのですが、後日、そのお客様から、「みんなびっくりして、大モテだったよ」とお電話をいただいたのです。 このように、何をどう買っていいか分からないという方は、気軽に呉服屋にご相談ください。商品知識がなくても、用途や着て行きたい場所、ご予算などをお話いただければ、ひとつひとつ丁寧に提案させていただきます。

はじめの一歩

着物の素材として、一から始めたいという方は、普段着用に綿をお求めになるか、機械織りの紬をお求めになるのがいいでしょう。また、夏用の麻から始めていただくのもおすすめです。 綿は自宅やその周辺での散策程度に限られますが、ご家庭でも洗えるので気軽に着ていただくことができます。まずは着物に慣れたいという方向きでしょう。
夏の麻着物「小千谷縮」 夏の麻着物「小千谷縮」

紬の魅力

紬というと、とても高価なものというイメージで、数百万円もするようなものもなかにはありますが、それは手織りで、しかも柄のとても細かいものです。 同じ紬でも機械織りの場合、3万円ぐらいから市販されています。紬の着物ですと、公のパーティーなどには向きませんが、友人同士の集まりなどでは、外出着としても利用できます。着物を着てみて、周囲の視線にも慣れてみたいという方におすすめします。 もともと紬は作業着用に織られていたものですから、着やすさは抜群です。家の中でお召しになるという方にもいいでしょう。ただし、紬は絹織物ですから、「汚し屋さん」は少し注意が必要かもしれません。

紬を極める

紬愛好家の作家、立原正秋さんも、「紬こそ自宅で着込んで、何度も洗い張りを重ねて風合いを出す、それから袷あわせに仕立て直して外出着にする」(『随筆集 雪舞い』より)とおっしゃっています。 紬を知り尽くした方のご意見ですが、こうして一枚の着物をいろいろに楽しむことができるのは大きな魅力です。そして、年を経ればまたそのときなりの楽しみ方ができるのも、着物の大きな魅力のようです。

*洗い張り・・・一旦すべての縫い目をほどいてから、再び縫い合わせて一枚の反物にし、洗うこと。「解(とき)洗い」とも呼ぶ。

 

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