気軽に着られる書生風
私が日常生活でも着物を着るようになったのが8年ほど前からですが、最初の数年間は、スタンドカラーの白いシャツの上に着物を、そして袴を着けていました。いわゆる「書生風」という着方です。 男の着物の場合は、衣紋えもんを抜きませんから、衿が首にぴったりと密着する状態になります。汗や脂で半衿がすぐに汚れてしまうのです。そのため以前は、半衿の付け替えをしなくて済むようにと、長襦袢の代わりに、もっぱらスタンドカラーのシャツを愛用していたというわけです。これなら、脱いだ後は洗濯機に放り込めばいいだけです。 書生風ついでというわけではありませんが、ここに編上げブーツなどを合わせたりもして、お客様からも「こういう着方があるのですね」とよく声をかけられていました。インバネスコートを着るとシャーロック・ホームズ気分
私は商人ということもあって白いシャツを愛用しておりましたが、グレーや黒などモノトーンのシャツになされば、いっそうおしゃれに見えます。冬場には、インバネスコートをこの上に合わせますと、まるでシャーロック・ホームズにでもなったような気分になります。 インバネスコートは、もともとイギリスで作られたもので、明治や大正のころには、洋装にも和装にも合わせられたものです。その後、洋装ではあまり着ることがなくなり、和装だけのものというイメージになりました。 しかし、最近では、インバネスコートを洋装にも合わせたいとおっしゃる方が増えて、デパートの紳士服売り場などでも扱い始めているようです。実際、私どもの店でも、冬のコートとして大変人気があります。小袴を着ければ龍馬風
特に若い方たちに好まれる着方が、「龍馬風」とでも言いましょうか、あの坂本龍馬が写真で着用しているような小袴こばかまスタイルです。小袴は細身の袴ですから、裾さばきが抜群で活動的です。しかも、袴なのでパーティの出席も可能です。多様な楽しみ方
最近、私が好んでいる着方は「戦国時代風」です。歴史上の人物では、織田信長と豊臣秀吉が好きなので、彼らを真似て、袖なし羽織を愛用しています。 着物を着ていて楽しいのは、同じ着物を着ていても、合わせるものを少し替えることで、今日は○○風、明日は××風と、いろいろな着方ができることです。これは、洋服ではなかなか味わえない楽しみでしょう。着物仲間がいらっしゃれば、テーマを決めて集うのもおもしろいと思います。
袖なし羽織をさらりとまとって「戦国時代風」に。
*衣紋を抜く・・・・・女性の場合は、着物の衿を後ろにやや引きぎみにして着る。
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