ネガティヴからポジティブに
年齢を重ねてくると、おなかが出てきたり、体型が崩れてきたりするのは仕方のないことです。
洋服の場合、体の線がそのまま表に出てしまいますから、鏡に映った自分を見て、ややもするとネガティブな気持ちを持ってしまうことがあるかもしれません。
そんなとき、着物を着てみてください。
おなかの張りによって帯の収まりがよくなりますし、それでも気になるなら、羽織が隠してくれます。
同じ体型の変化が、着物では「男の貫禄」に変身してしまうというわけで、「ネガティブ」どころか「ポジティブ」に考えられ、大きな自信につながるでしょう。
私の知り合いで、体型で悩みをお持ちの方がいました。
パーティーの席で、スタイルのいい部下たちが颯爽とスーツを着て歩いているのを見ると、とてもかないそうもないと自信を失いがちだったと言うのです。
そこで、彼に着物をすすめたわけですが、着物を着て出席するようになって以来、部下たちから羨望の眼差しを向けられるようになったと聞きました。
私自身、今のように着物オンリーの生活になる前は、足の短さがコンプレックスでした。しかし、着物は体の線がそのまま出るということはありませんから、今ではそうしたコンプレックスを持っていることさえ忘れてしまいそうです。
着物のサイズは自由自在
それに、実は20年前に比べると、体重が10キロも増えてしまいました。洋服の場合、10キロも太っては同じサイズのものを着ることはできません。
体型に変化がないという方でも、現実問題として、20年前の洋服をそのまま着るのはまず無理です。
しかし、着物の場合は、内揚げや脇の縫い込みで調節が可能ですから、体型に応じて着続けることができますし、形は変わりませんので、何年でも何十年経っても流行遅れということはありません。
実際、私も25年近く前に作った着物を今も着ております。
すらりとした人が着てもサマになるのが着物です。
知人の俳優、岩城滉一さんが最近、着物にはまっておられます。
彼はすらりと格好のいい男性の象徴。男の私から見ても色気を感じさせられる着こなしぶりです。
彼の着物姿を拝見しておりますと、着物の魅力の幅広さをつくづくと感じます。
*羽織・・・・・着物の上に羽織る、着物よりもたけの短いもの。男性の場合は、屋内でも脱がなくてよい。
*内揚げ・・・・仕立て替え、身丈直しなどのために、身ごろにあらかじめ縫込まれた部分。
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