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《3分で解説》「松枝家の久留米絣」5つの見どころ

3月18日(金)~21(祝・月)に開催される「松枝家の久留米絣~伝統と伝承の道~」展の見どころをわかりやすくご紹介します。

【目次】
見どころ① ドラマチックな藍の表現
見どころ② 「絵絣」で久留米絣を芸術の域へ
見どころ③ 久留米絣技術保持者会の一員
見どころ④ 久留米絣は華やかな「祝い着」だった
見どころ⑤ 松枝哲哉さんの作品は今だけ

見どころ①
ドラマチックな藍の表現

松枝哲哉作『凛灯』

松枝哲哉作『凛灯』

松枝家の久留米絣の魅力として、まず注目いただきたいのが藍の美しさとその表現力です。
工房「藍生庵(らんせいあん)※」には、愛情を込めて世話しているいくつもの藍甕が並び、表現したい藍色によって藍甕を使い分け、染め重ねる回数を変化させています。
漆黒に近いほどの重厚な藍、海のように澄んだ中藍、空のような爽やかな淡藍——無限の諧調が存在する藍からその作品のための藍色を染め出し、情緒に訴える奥行きのある藍の表現は松枝家の久留米絣ならではの魅力です。

松枝家の久留米絣 藍のすくも

藍の葉を発酵させた蒅(すくも)。これに木灰から作った灰汁(あく)と貝灰、水あめ、日本酒(純米酒)等を混ぜ「藍建て」し染料を作る。

松枝家の久留米絣 藍甕と藍染め 松枝崇弘さん

藍甕で染める松枝崇弘さん。松枝家にとって藍は「可愛い家族の一員」であり「人が一生をかけるのにふさわしいもの」。

松枝家の久留米絣 藍生庵 看板

※藍生庵・・・松枝哲哉さんの祖父、人間国宝と言われた松枝玉記さんの雅号『藍生』から名付けられた。『藍に生まれ 藍に育ちて生かされし 藍に報いて果てむとぞ思ふ』と玉記さんの短歌にも詠まれている。より美しい発色のための水を求めて、1990年に工房の場所を現在の久留米市田主丸町に移転。

松枝家の藍について
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見どころ②
「絵絣」で久留米絣を芸術の域へ

松枝哲哉作『雪の舞い』

松枝哲哉作『雪の舞い』

筑後の自然風景、風や光、宇宙にまで思いを馳せ、代々和歌に親しみ「歌の心」を絵模様に織り出した、他では見ることのできない松枝家の久留米絣が一堂に並びます。工芸展への入選作品も多数あり、 作品名やコメントも手がかりに、作品世界をぜひご堪能ください。

松枝家の久留米絣 絵台

「絵台」に一本の種糸を張りつめた糸のキャンバスに模様の印をつける。

松枝家の久留米絣 オオアサで手括りした糸

印をガイドにして糸束を粗苧(アラソウ)で手括りし防染する。

久留米絣は、八女地方の小柄な絣と、筑後地方の中柄・大柄の絣に大別され、 松枝家に伝わるのは後者の大柄な絣。特に藍のグラデーションを活かした独創的な「絵絣」模様は、人間国宝と言われた松枝玉記さんが地場産業である久留米絣を芸術の域へ昇華し、哲哉さんがその抒情性をより深められた、松枝家こだわりの意匠です。

松枝哲哉作『雪の舞い』

藍甕に浸して染めるため、濃淡の色数だけ別々に糸を染める必要がある。

松枝家の絵絣について
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見どころ③
久留米絣技術保持者会の一員

久留米絣は綿織物として日本で唯一、国の重要無形文化財に指定されています。 3つの指定要件(絣括り技術、藍染め技術、織り技術)のそれぞれに資格認定があり、最短でも8年以上の修行期間を経て、厳しい基準を満たした者だけが重要無形文化財指定の久留米絣を織ることが許されます。

松枝哲哉さんは、中学時代より人間国宝と言われた祖父の松枝玉記さんに学び、24歳の時には重要無形文化財久留米絣技術伝承者に認定。松枝家は組合に所属する30弱の工房の中で、重要無形文化財を織ることができる限られた工房の一つです。

重要無形文化財の指定要件について
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見どころ④
久留米絣は華やかな「祝い着」だった

久留米絣 女学生の入学式 大正8年頃

女学校入学式の記念写真。(大正8年)
「財団法人久留米絣技術保存会 重要無形文化財久留米絣指定50周年記念誌」より

久留米絣は現在はカジュアル着として知られていますが、元々はハレの日に着られる祝い着でした。入卒や婚礼の晴れ着として着用され、嫁入り道具の一つとして久留米絣の布団を持たせる風習もあったそうです。
その布の丈夫さゆえ、また変わりゆく時代の情勢の中で、晴れ着としての役目を終えた後はもんぺ等に仕立て直され、生活の営みの中で布の命を全うしていきました。

「絣の輝きはダイヤモンド」と呼ばれるように、久留米絣は本来華やぎのある着物です。カジュアル着の中でも特別な一枚として、様々なシーンにお召しいただけます。

久留米絣の布団。花嫁道具の一つだった。

久留米絣の布団。花嫁道具の一つだった。

久留米絣の歴史について
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見どころ⑤
松枝哲哉さんの作品は今だけ

2013年、2016年に続く3回目の展示会を、誰よりも楽しみにされていた松枝家五代目当主・松枝哲哉さんは、2020年7月に逝去されました。
筑後の風土から生まれた久留米絣を、独創的な「絵絣」により精神性の高い作品に高めてこられた松枝家。本展は、松枝哲哉さんの50年余りの軌跡を辿る展示会であると同時に、哲哉さんの最後の新作展示会でもあります。 松枝哲哉さんの渾身の作品を一堂にご覧いただける機会は他にありません。
店頭では、松枝哲哉さんを偲ぶ映像や写真資料等も豊富にご用意しています。お気軽にお立ち寄りいただき、一人でも多くの方にご覧いただけましたら幸いです。

『藍甕に浸して絞るわたの糸 光にかざすとき匂ひたつ』
松枝哲哉さんの歌(2010年宮中歌会始の選歌)

松枝哲哉さんのメッセージはこちら

【記事一覧】松枝家と銀座もとじ 出会いからの歩み


動画でご紹介~「松枝家の久留米絣」の魅力

店主・泉二弘明と二代目・泉二啓太が松枝家の久留米絣の魅力と、松枝家の家族愛についてお話しさせていただきました。

【催事特設ページ】松枝家の久留米絣~伝承と伝統の道

松枝小夜子さん、松枝崇弘さんの在廊日やぎゃらりートーク、作品解説の日程等は特設ページよりご覧ください。

松枝家の久留米絣~伝統と伝承の道~

催事特設ページはこちら

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