2019年8月23日(金)から25日(日)まで、銀座もとじ和染にて「初個展 染空間 -四ツ井健の友禅-」を開催。 24日(土)には四ツ井健さんをお迎えしぎゃらりートーク、24日(土)25日(日)午後には作品解説のミニトーク会を行いました。
生まれも育ちも加賀百万石の文化が根ざす石川県金沢市。加賀友禅や九谷焼を始めとする伝統工芸の街で、作品作りを続けられる四ツ井さんのこれまでの道のりやものづくりへの思いを伺いました。
グラフィックデザイナーを目指したものの美大進学を断念し、友禅の道へ入られた10代の頃。分業制により作られる加賀友禅の図案と彩色を担う工房で住み込みで働き、基本の技術を一から習得。そんな中出会った陶芸家の師に、現在につながるデザインへの向き合い方や理論を学ばれ、師の教え通りに朝・昼・晩の食事の前に必ず1案、ひと月で100案近くの図案をひたすら考え続ける生活を続けていたとのこと。
「人のデザインは簡単に批評できるけれども、自分のデザインは客観的になれないものです。でも描いてから時間が経つと、人の作ったものと同じように見ることができる。今だったらこうするな、と自己批判の視点を持てることで自己の成長を感じられるんです」
約10年前、高速バスで金沢と東京を往復し、一日中店の中でお客様の声にひたすら耳を傾けていた四ツ井健さん。ご自身の作品を客観視することで、昔も今もより良いデザインへと高められていらっしゃいます。
四ツ井健さんの美しい帯や着物作品とともに、穏やかで朗らかなお人柄に魅了される一時間でした。
お集まりいただいた皆様、店頭やオンラインショップで作品をご覧いただきました皆様に心より御礼申し上げます。