今回「プラチナボーイ物語」の特別篇として、従来の養蚕、製糸、製織の見学・体験に加え、日本が誇る植物染料の染色工房「染司よしおか(京都市伏見区)」にて、工房見学と染めの体験をご用意いたしました。また、五代当主・吉岡幸雄氏を囲んでの夕食会も予定しております。
染織史家としても名高い先生から染織や“日本の色”に関わるお話を伺いながら、「どんな色に染めようか」と自分だけの着物へ思いを馳せる、特別な時間を過ごしませんか。
※滋賀の長浜縮緬織元を訪れた後、その足で京都へ入る1泊2日の旅程となります。
販売価格
◉「並巾」 = 750,000円(税込) ◉「広巾」 = 780,000円(税込)
(共に染代、表地代、裏地代、仕立て代、各産地体験参加費含む)
※紫や紅花など染料によっては、追加料金がかかります。
スケジュール
◉第一章 養蚕体験 2019年9月23日(月・祝)予定
養蚕農家での蚕への餌やり体験(茨城県)
※郵送のダイレクトメールでは。 2019年9月16日(月・祝)予定 とご案内しておりましたが変更となりました旨ご了承ください。
◉第二章 製糸体験 2020年1月11日(土)予定
座繰り体験&碓氷製糸場での製糸見学(群馬県)
◉第三章 製織体験 2020年4月10日(金)予定
長浜縮緬織元見学と八丁撚糸体験(滋賀県)
◉第四章 染色体験 2020年4月10日(金)〜11日(土)予定
『染司よしおか』にて工房見学と染色体験(京都府)
お申込〆切は9月8日(日)
定員になり次第、締め切らせて頂きます。
※第一章の日程が変更となりましたため、〆切日も変更となりました旨ご了承ください。
お問い合わせ:03-5524-3222
お客様の声
平成29年度「プラチナボーイ物語」にご参加いただいたお客様より、たくさんの感動のお声を頂きました。その一部をお届けいたします。
活動レポート
平成29年度第2回プラチナボーイ春繭ツアーで訪れた群馬県安中市の蚕絲館と碓氷製糸での体験や見学の様子をご紹介。
ブランド紹介
プラチナボーイの糸によるあなただけの一枚を。完成するまでの一年間、自ら餌やりした蚕たちの繭が糸になり、生地に織り上げられる過程を、感動とともに体験していただける参加型のブランドです。
各地の風土に触れながら、作り手の方々と交流しながら、国産の上質な「絹」への理解を深め、着物文化の魅力を体感できる貴重な機会をご提供いたします。
「物語」へのいざない
第二の皮膚として体を包み、私を語るものとして心を伝える。そんな、身にまとうものの真摯な役割を、いまなお受け継ぐ着物。
永らく選ばれてきたのは、自然の恵みから生まれた肌に優しい素材でした。
絹、麻、木綿、さまざまな草樹の皮や蔓。
なかでも絹は、優雅な艶や風合い、温もりゆえに、着物地の最高峰。けれどご存じでしょうか。着物に使われる絹のほとんどが輸入に頼っています。グローバル化とはいえ、日本の着物文化を支える生地が日本生まれでないことは、とても残念な事実です。
着物の美しさを支えるのは、一本の糸です。糸こそ着物の命と考える私たちが、プラチナボーイという名の新しい国産蚕種に出合ったのは、運命でした。
古来、養蚕に関わる人々の間では、雄の蚕は細く美しい糸を吐くことで知られていました。それゆえ、願わくば雄の繭だけから糸を取りたい、と研究が重ねられてきました。そして2005年、37年という年月を経てついに成功したのが、雄の蚕だけが孵化する国産蚕種、プラチナボーイだったのです。
細く艶やかで強い、白馬の王子さまのようなプラチナボーイの糸を、わたしたちは最大限に生かしたいと考えました。そこで、プラチナボーイの反物の証紙には、蚕種の開発者、養蚕家、製糸工場、染め手、織り手の名をあまねく記すことにしたのです。優れた糸を生かすのは、人の手にほかならず、各工程のマイスターたちの尽力と技のリレーがあってこそ。証紙というかたちで、反物や帯地の美しさを生み出す立役者たちに敬意を払い、表舞台にご登場いただいたのでした。
けれど証紙は、一枚の着物が宿す「物語」へのプロローグにすぎません。なにしろまだ、主人公が現れていないのですから。
この「物語」には、“着る人”という主人公の登場が待たれました。証紙の最後に、着る人の名前を入れること。そこから、「物語」は始まるのです。
さあ、マイスターたちの居る場所に足を運び、自分のための一枚ができるまでを追いかけましょう。養蚕農家の仕事から始まり、繭が糸になり、そして一枚の生地になる旅の道程で、自然の力と人間の英知、絹を愛する人たちのたゆまぬ努力に心揺さぶられます。プラチナボーイという希有な絹の美しさが、いかにして引き出されていくかを、主人公が目撃するほどに、「物語」の世界は広がっていくのです。
いよいよ一枚の着物になれば、その美しさは、さまざまなシーンで注目を浴びるでしょう。そして主人公は、愛しむように着物の「物語」を語り、人々を魅了することでしょう。また、この一枚を愛する誰かに託す時が訪れれば、「物語」とともに、日本の着物文化を伝えることもできるのです。
創造の現場を体験し、世にも美しいプラチナボーイの絹で、自分だけの一枚を手に入れる。それが「プラチナボーイ物語」です。ものの贅沢から、心の贅沢へ。まったく新しい着物のかたちです。
そして……。
一本の糸が導く豊かな世界に、あなたを主人公としてお招きできれば、これに勝る喜びはありません。