エルメスの「petit h(プティ アッシュ)」の作品制作と空間デザインを手がけた、今、注目のマルチアーティスト・河原シンスケ氏。
京丹後の職人との出会いから、今回は初めて羽織、織帯、 紋意匠の白生地を制作。大麻布や螺鈿、引き箔など日本伝統の素材や技術と、パリ在住の河原氏ならではの感性が呼応して誕生した、縁起の良いうさぎモチーフの新作を発表いたします。
※羽織作品《限定1点》は12月1日(金)販売開始です。
発売開始:2023年12月1日(金)~
場所:銀座もとじ和織・和染、男のきもの
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ和織・和染(女性のきもの)03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472
(電話受付時間 11:00~19:00)
ぎゃらりートーク
河原シンスケ氏をお招きし、制作秘話などをお伺いいたします。
日時:12月16日(土)19:00~20:00【受付中】
会 場:銀座もとじ 和織
定 員:40名様(無料・要予約)
うさぎは世界中、そしてどんな時代にも存在して来た、我々と近い存在。
フランスの16世紀からのオービュッソンのタペストリーにも、日本の平安時代の鳥獣戯画にも。
僕が初めてパリのシャルル・ド・ゴール空港に降りたったのは80年代初頭。その頃はターミナルも一つしかなくフライト数も当然今より格段に少なかった。窓から少し不安な思いでフランスの土地を眺めていると、野原の様な滑走路が波打って見える。だんだん着陸のため近づいて来るそこには、ウサギの大群がぴょんぴょんと跳ねていたのだ。こうして初めてのパリで僕を迎えてくれたのはうさぎ達だったのだ。それ以来、僕の作品のインスピレーションソースには、うさぎが欠かせない存在となった。
出身地では無いが、ご縁があって京都府の丹後地域にアトリエを構えることになり、そこでまた新たに職人さん達との出会いが始まった。自分が出来ない事を出来る人達には、年齢関係なくいつも最大のリスペクト。今回泉二さんからお話を頂いた時、即答したのが、そんな京丹後地域の人達との取り組みだった。僕のうさぎと職人技の出会いで出来上がった作品が気に入って頂ける事を願うばかりだ。
河原シンスケ
羽織 大麻布
「松竹梅と大兎」
アトリエから見える景色から着想
丹後で織り上げられた大麻布の白生地に地染めを施し
河原シンスケ氏が直接描いた1点ものの羽織
【作品コメント】
幸運にも我がアトリエの眼前には美しい天橋立が一本線の様に眺められます。 天候によって、それが滲んだ水墨画の濃淡に見えたり、時にはハッキリと松のディテールが見えた。 そんな時、想像の海が頭と眼に広がり、この様な大兎が松に乗っかって、竹梅を眺めている絵を描きたくなりました。前袖のモチーフは、二つの三角形が兎の耳と紋との発想からきています。
織九寸名古屋帯
「兎の耳と貝の殻」
円に形どった遊ぶ兎達7羽と
それを眺める1羽というストーリーを表現
螺鈿の引き箔が美しい織九寸帯
【作品コメント】
『私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ。』ジャンコクトー作、掘口大学訳の詩。 美しい螺鈿は海からの贈り物です。
和紙に螺鈿を貼り付けて、それを数ミリの糸にし、絹糸と織りあげるという、気の遠くなる様な技術に圧倒されたのが数年前の民谷螺鈿との出会いです。
男帯も実際自分も愛用していますが、美しいばかりでなくとてもしめやすいです。
夢が叶い、手描きそのままの構図、円に形どった遊ぶ兎達7羽とそれを眺める1羽というストーリーを織りあげて頂きました。
伝統の織技法と「引き箔」により一本一本手作業で織り込まれた螺鈿が美しい織九寸帯。
兎は3色のグレー濃淡で表現し、かすみは螺鈿に両面箔緯糸を沿わせて、筆書きのようなかすれた線を表現しています。
丹後ちりめん 紋意匠白生地
「波と鞠兎」
兎と波の地紋が愛らしい紋意匠の白生地
色無地としてお好みの色に染め上げます
【作品コメント】
丹後ちりめん 紋意匠白生地「波と鞠兎」
トロンとした柔らかい縮緬絹地が好きです。それは、まさに波動の様。
それでも時々現れる波。そこに丸まって飛ぶ、鞠の様な兎を描きました。
身体を延ばして勢いをつけて跳ぶのが一般的。
もっと楽に波に委ねて自由に波の上を転がる様に可愛らしくぷかぷか浮きながら漂う、ちょっと怠け者ウサギが出来上がりました。
丹後ちりめんの織元が織り上げる、兎と波の地紋が愛らしい紋意匠の白生地。
色無地としてお好みの色に染め上げ、洒落紋などを付けてお召いただくのがおすすめです。
※お色目はお気軽にご相談ください
河原シンスケ(アーティスト/クリエイティブ・ディレクター)
武蔵野美術大学卒。1980 年代よりパリ在住のマルチアーティスト。ブリュッセルのELEVEN STEENS での個展のほか 、 パリ造幣局博物館、 パリ工芸美術館、 西本願寺伝道院など国内外の数々の展覧会で作品を発表。また 、 エルメスなど多くの企業とのコラボレーションでも作品を創出。エルメスとのコラボは多岐にわたり、香水『ローズイケバナ』のリミテッドボトルデザインや、エルメスのサスティナブル部門「 petit h プティ アッシュ )」 での多数のデザイン及び、今年4月、中之島美術館での展覧会のセノグラフィーも手がけた。
『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』で
ご紹介いただきました
インターナショナルモード誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』の公式サイトにて、河原シンスケさんの新作をご紹介いただきました。下記リンクよりぜひご覧ください。
「Numero TOKYO」公式サイト
※外部サイトへ移動します。