
日本工芸会正会員 友禅・湯本エリ子(ゆもとえりこ)
心の眼で見つめる草木の躍動。
大自然の命を輝きを表現。
京都府亀岡市に工房を構える、湯本エリ子さん。ご出身は名古屋で、お父様も友禅染めの日本工芸会正会員でいらっしゃったとのこと。染めの仕事が身近にある環境で学生時代を過ごされますが、高校卒業後は一般企業に就職。20歳の頃に旅した旧ソビエトの広い空と大地、雄大なネヴァ川の流れ、大自然のおおらかさに気持ちを救われ、ある決意が芽生えます。
「この自然こそがすべての源。この大自然の、命の輝きを表現する仕事をして生きていこう」
京友禅の師・山科春宣氏には空間を描くことの大切さを学び、独立後は自然豊かな工房で四季を通して草木の特徴を心の眼で見つめ、抽象的なかたちで表現されています。色数を限り、モノトーン調に抑えられた色彩が逆に生命の躍動と存在感を際立たせ、統一感のある清々しさを醸し出しています。
Reading読みもの
友禅作家・湯本エリ子~心の眼で見つめる草木の躍動~
季節ごとに花草をデッサンし、その特徴的な部分を抽象化してデザインする湯本エリ子さんの作品表現に込められた思いや、この世界に入られたきっかけなどを伺いました。現在、京都府亀岡市に工房を構えて制作活動を…
湯本エリ子
1951年 名古屋市生まれ
1973年 山科春宣(日本工芸会正会員)の工房に入門
1989年 京都亀岡に工房を構える
2006年 日本伝統工芸染織展 入選
2007年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「立夏」滋賀県教育委員会教育長受賞
2008年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「椿」京都新聞社賞受賞
2009年 日本伝統工芸展 初入選 友禅訪問着「青柚子文」
同年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「秋草文」日本経済新聞社賞受賞
2010年 京都工芸ビエンナーレ 入選
同年 日本伝統工芸染織展 友禅訪問着「金木犀」奨励賞・北國新聞社賞