次世代を担う作家紹介 – 第2回:染織作家・須賀恭子さん

次世代を担う作家紹介 - 第2回:染織作家・須賀恭子さん

締めたときに、ふわっと優しい気持ちになっていただけたら

昨年ついにその扉を開かせていただいた「ぎゃらりー泉」。第2回目となる今回は、長野県の八ヶ岳、南アルプスを臨む地でものづくりをされている須賀恭子さんをご紹介します。

「ぎゃらりー泉」は、才能がありながら染織の世界を離れていく作り手を目の当たりにしてきた店主泉二の長年の夢。まだ知られていない力のある若手作家に光を当てて、作品発表の場を提供したいという思いから作られました。 染織作家・須賀恭子さんがいよいよデビューを飾ります。

染織作家・須賀恭子さん 八寸帯

大人気の半巾帯に加えて
新作・八寸帯でさらに広がる「色」と「織り」の魅力。

毎年、須賀恭子さんの半巾帯は初夏の入荷が心待ちにされる人気作品。草木の色を綿糸や絹糸に染め、花織やロートン織りなどでふっくらと織りだした優しい風合いと大人可愛いデザインは、多くのお客様の心を一瞬でつかみ、浴衣や夏きもの、紬のお洒落を楽しむアイテムとして好評を博してきました。

素朴でありながら、モダン。穏やかな色合いなのに、身につけるとしっかりと主張する。須賀恭子さんの作品には計り知れない魅力があり、その才能に銀座もとじではかねてより注目してきました。須賀恭子さんが作家として歩み出せる、ご紹介の時をお届けできたらと、新たな挑戦の場として「ぎゃらりー泉」での個展開催を提案したのが2017年。一年の準備期間を経てこの4月、ついに夢が実現します。

染織作家・須賀恭子さんが使う糸

今回の個展に際し、銀座もとじでは、須賀さんの代名詞ともいえる半巾帯に加え、 「八寸帯」の制作を依頼しました。半巾帯と八寸帯、その違いは単に幅が変わるということではありません。締め心地や装うシーンの違いを考慮した上で八寸帯としての用の美を叶えるために、あらためて素材や織り組織の熟慮が必要となります。
この1年間、須賀恭子さんはご自身を追い込みながら試行錯誤を重ね、期待以上の素晴らしい作品を制作してくださいました。
「誰のためでもなく自分のために着物を楽しむ日の、お気に入りの一本にしていただけたら。締めたときにふわっと優しい気持ちになってほしい」と仰います。

須賀恭子さんの人生が変わるとき。
新しい門出をぜひ応援しにいらしてください。

工房のある地域の風景

須賀恭子さんは宮城県仙台市出身。武蔵野美術大学で油絵を専攻し、卒業後に沖縄各地の織物産地を巡った後、西表島へ移住。5年間竹富町でミンサー織を学び、その技術が今でも須賀さんのものづくりの礎になっているといいます。

2006年に長野県へ拠点を移してからは、糸・染め・織りを独学で学ばれてきました。素材と機にまっすぐに向き合い、糸を知るために春~秋の養蚕場や製糸所へ足繁く通い、植物の生命の色を染めたうつくしい糸を一本一本丹念に織り重ねていらっしゃいます。ひたむきにものづくりをされる須賀恭子さんの制作背景に触れていただくまたとない機会です。
「人前に出てお話しをするのは苦手」と、とてもシャイで控えめな須賀さんが今回初めて、お客様の前で内に秘めたものづくりへの思いを言葉にしてくださいます。今、羽ばたこうとしている染織作家・須賀恭子さんの新しいスタートをご覧になりにいらしてください。皆様の応援をぜひよろしくお願いいたします。