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2008年 泰明小学校 「柳染め課外授業」~柳の剪定~

銀座で唯一の小学校「泰明小学校」にて、 毎年、店主の泉二(もとじ)は小学校5年生の課外授業『銀座の柳染め体験授業』の一日先生になります。 また、今年は泰明小学校の開校130周年記念。創作作品もいつもと違ったものに取り組みました。 ことの始まりは、泉二の愛息がこの小学校に通っていた時のこと。 「絹がどうして出来るのかを息子や友達が知らなかった」ことに驚き、店を2週間休んで、 店内に蚕棚を作り、蚕を育て、絹が出来るまでを実際に見せたのがきっかけでした。 その後は「銀座の柳」を使った『柳染めの体験学習』が中心となりました。
今年は5月22日に柳の剪定をしました。気温27度の陽射しのまぶしい日に、 店主泉二とスタッフ総勢10名で泰明小学校に出向きました。 まずは、生徒60人あまりとスタッフが講堂に集合して、店主泉二による剪定時の注意に耳を傾けます。
体育館で柳染めの説明
「君たちが5年生になるまで柳は毎日見守ってくれた。今日はその命をもらう。葉一枚も大切に使おう。一生懸命素晴らしい思い出を作ろう。」 今年は泉二の愛息も参加することができご挨拶。卒業生でありこの授業のきっかけとなった人の登場に、 生徒たちも嬉しそうに驚いていました。
柳の木から剪定
わくわくした笑顔で校庭へ。泰明小学校には二つの柳があります。校門の横にある柳の背は、 校舎の3階部分まで届くほど。 でも今年は陽気がよく、あまりに長く伸びてしまったため少し前に区に剪定をしてもらったそう。 残っていた高い部分を、スタッフが教室の窓や校門の上から長いハサミでざっくり切ると、 下で待ち受けていた生徒たちが わーっと一斉に駆け寄ってきて、次々と葉を持っていってくれます。上から降ってくる柳をつかむのがおもしろくて、 大きな枝を手にすると嬉しそうに高く掲げながら校庭を元気に走り回っていました。
校庭の職員室前にある柳はちょっと小ぶりのサイズ。校門の柳を挿し木にして育てた柳の木です。 こちらは生徒たちが手が届きやすいので、一列に並んで順番に刈っていきます。 スタッフがちょっと引っ張って、その先を生徒たちがチョキチョキ。 今年は自分の手で刈れる柳が1本だけなので、みんなで少しずつ分け合います。
小学生自ら剪定
切った柳は煮出すために長さ10cmくらいにカットします。 太陽がさんさんと降りそそぐ校庭。キラキラ輝く柳をチョキンチョキン。 みるみる内に袋がいっぱいに。新鮮な草のいい香りがします。 今年はとても暑かったので日陰で作業をする子供たちもたくさんいました。
剪定された柳
そして、しっかりと太い枝はバケツにまとめます。 これは翌日、泉二が故郷の奄美大島へ持っていく分。 母校である大勝(おおがち)小学校で挿し木をして銀座の柳を育ててもらうのです。 そして大勝小学校から泰明小学校へは大島紬の泥染めで使っている粒子の細かい泥を送ってもらいます。 奄美大島と銀座、ふたつの小学校の交流です。
これは最終日の「銀座の柳染め」実習のときに大活躍。どんな色がでるのかお楽しみです。 心地よい風が吹き抜けて、校庭に葉が散りばめられてしまったけれど、最後の一枚まできちんと集めました。 太陽の恵みをたっぷり浴びてすくすく育った命をいただいたということ。 自分の手で刈って、集めて、私たちもあらためて自然への感謝の気持ちを思いました。生徒たちの本日の 授業はここで終了です。
午後はスタッフたちで、柳の煮出し作業です。大きな寸胴鍋を4つ。その中に さきほど刈った柳の葉をこぼれんばかりに入れてひたひたの水で煮ること約2時間。 途中何度か蓋をあげておたまでかきまぜると、その度に色が濃くなっていきます。 黄色がかったような透明な茶色。この作業を2回分、寸胴鍋8つ分、約18ℓの染液が出来上がりました。 これを使って「銀座の柳染め」実習をします。
剪定した柳から染料を煮出す

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