織楽浅野・浅野裕尚氏を迎えて |活動レポート

織楽浅野・浅野裕尚氏を迎えて |活動レポート

少しずつ暖かさを増してきた4月23日(土)、織楽浅野の代表取締役でもあり、帯のプロデューサーでもある浅野裕尚氏の「もとじ倶楽部」を「ぎゃらりー泉」にて午後7時半より午後9時まで開催しました。
23名ものご参加を頂いて午後7時半ぴったりにスタート。

まずは、皆さんお待ちかねの「浅野裕尚氏秘蔵のコレクション」を公開です。
特大のスーツケースや大きなダンボールに詰められた品の他に、浅野氏みずから新幹線で運んできてくださった門外不出の貴重な品の数々。美術館や博物館に並んでいそうな品物を店舗の商品棚と仮着付けスペースに次々と並べていくのを参加した皆さんは息を呑んで見守ります。

まずは織物のお話です
最初は貴重な200年前と100年前、40年前の織物3点を見ていただき、ゲーム形式でどれが一番古いかを挙手で投票。その後、今度はその3枚のうちどの柄が一番綺麗かを質問。それぞれが考えたところで「織物の歴史と成り立ち」のお話を頂き、これらの3点をなんと! 直に手にとって見せていただきました。
200年も前の貴重な織物を「丁寧に扱えば裏返してみるのも良し。触って織り目を見るのも良し。」とびっくりするようなお許しを頂いて、皆さん大感動。

導入部から貴重な品物は、触れさせてもらえるうえに「ええ! 」とびっくりして感心するようなお話の展開が続き、参加した皆さんはどんどん浅野氏の話に引き込まれていきました。

続いて、法隆寺伝来の蜀江錦、神護寺の経帙などガラス越しに見るのが当たり前の品々が「ぎゃらりー泉」の大テーブルに広げられます。もう織物好きには涎が出そうなものばかり。「はあ……」「ほお……」と声ともため息ともつかない声が上がり、みな身を乗り出して見入っていました。

神護寺一切経秩
神護寺一切経秩
お話はどんどん進み、東大寺の二月堂のお水取りに使われる和紙を染めてつくられた椿の花やそれを染める紅花を用いた「シャネルの日本限定紅花の口紅」、インドカシミールの織物、コプト織、アンデスの織物など次々と見せていただきました。
続いて、浅野氏の創作の源となった谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の話から、「美は物体にあるのではなく、物と物の作り出す陰影の中にある」から「帯と着物が互いに作り出す“あや”の美しさ」を求め、「帯にも単純な軽さではなく質量のある織物を目標としている」こと。
今回のテーマは「単純な白黒ではなく、その色調は色であり色でなく、白は何もない純粋な“素”を表し、黒はすべてのものの本質を表す「玄」「」を目指したこと」などお話頂いて、帯の図案から帯完成までの経過をお話いただきました。
インドマハラジャの帯
インドマハラジャの帯

次に、今回のコラボレーションしたカワイヨシロウ氏との作品作りの話に移りました。「帯と着物を作る二人が居れば何か力が働きます。スタイルとして着物を考えると言う点が二人の共通点でした。」とお互いが刺激を受け、楽しかった創作活動についてお話いただき、二人の作り出した空間が、銀座もとじと言う呉服業界の近未来的な空間で通用するかが勝負でしたというお話で終わりました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、既にここで午後8時45分。
残りはちょっと駆け足で進みました。

筆・おはしのコレクション 美しい孔雀の羽の筆が印象的
筆・おはしのコレクション
美しい孔雀の羽の筆が印象的
最後は、浅野氏のお父様が集め続けたと言う「3段の重ねられたおはしのセット」、そして「筆のセット」などを見せていただきました。この中には、天皇陛下の使っていらっしゃるお箸と同じものなど貴重なものが有り、こちらも息を呑むばかりでした。
貴重な品々をとりあえず回りに片付けさせていただき、ワインとカツサンド、チーズで軽く乾杯をしていただきながら質問をしていただきました。

お客様から色々と質問を頂きましたが、共通して仰っていただいたことが「大変貴重な品々を手にとって見せていただき本当に貴重な時間だった」「今の帯と着物のセンスが凄くモダンで良い」と言う言葉で、浅野さんも大変満足していらっしゃいました。終了は午後9時20分でしたが、その後も浅野さんのご好意で秘蔵品を店内にそのまま置いていただき、みなさん心行くまで眺め続け、また作品を見ていただき、午後11時近くまで在店頂いたお客様もいらっしゃいました。

講師を務めていただいた浅野さんからは「自分自身の作品をしっかり見ていただけて大変嬉しかった。秘蔵品についてはみなさん、本当に喜んでくださって持って来た甲斐がありました。本当に勉強させていただいたのは私自身かもしれません。皆さんから色々とお言葉を頂いて次への創作意欲に繋がりました。

今回、定員オーバーで参加できなかったお客さまや、また新しいお話ができる機会があれば、うれしいかぎりです。ありがとうございました。」と感謝の言葉を頂いています。
翌日は、また重たい貴重品を抱えて京都に戻られました。

遅い時間の開催にも関わらず、多数のご出席を賜り誠にありがとうございました。

裂帖
裂帖

<主だった展示紹介品リスト>

・神護寺一切経秩
・法隆寺伝来 蜀江錦
・裂帖
・龍村復元時代裂帖
・16C ゴブラン織のタペストリー
・17C キリストの細密タペストリー
・コプトの織物
・アンデスの織物
・インドサリー
・ダッカコットン
・インドマハラジャの帯
・艶紅
・シャネルの口紅37AKA
・雁皮紙・三椏紙・楮紙
・もみ紙
・藤田嗣治使用のキャンバス
・古梅園の墨色見本
・筆・おはしのコレクション
・織楽の素と玄の色の絹糸
・図案と紋図
以上