9月23日の秋分の日、イタリア大使公邸で開催された「なでしこ会」にて、地中海の珊瑚の帯留に似合う着物のコーディネート提案をしてまいりました。
今回の機会をもうけてくださったのは、イタリア大使館夫人のリタさん。今年の5月に男のきもの店で開催したイタリア人アーティストのキアラ・カセッリさんとジュリー・ポリドロさんの作品展にご来店くださった縁で、日本駐在員夫人からなる「なでしこ会」のみなさまに「銀座もとじ」をご紹介くださいました。

会の前半は、珊瑚製品を扱うアントニーノ・デ・シーモーネ社オーナー兼社長のジョイア・デ・シモーネさんとカメオ販売の老舗デリア社のアルフォンソさんによる珊瑚についての紹介。
「メドゥーサの首から飛び散った血が地中海に滴り落ち、その血が珊瑚になった」という珊瑚誕生の伝説や、ナポリ湾に面した珊瑚産業の中心地トッレ・デル・グレコと日本との交易の歴史など、珊瑚にまつわる様々な興味深いお話をお聞かせくださいました。

「エンジェルスキン」と呼ばれる希少な薄ピンク色の珊瑚のネックレスをさりげなく身につけるリタさんと、イタリア産の赤珊瑚のネックレスをピンクのワンピースと併せて女性らしく装うジョイアさん。
美しい珊瑚は、お二人が身につけることで、よりいっそう華やかな魅力が引き出されていました。
その後、二代目 泉二啓太が「銀座もとじ」を代表して、店舗紹介と珊瑚に似合う着物のコーディネート提案を英語にてプレゼンテーションいたしました。
今回、珊瑚に合わせて提案させて頂いたコーディネートは4タイプ。


下の写真右は、観劇・友人との食事での装いのご提案です。 水の流れが表現された大島紬が海の宝石と言われる珊瑚と出会うことで、 それぞれの意匠美が一体となった装いを演出します。 そして、型絵で染められた黒地の帯が珊瑚の色をさらに引き立てます。
美しい装いは国境を越えて海外の女性の方々の心に響いた様子で、プレゼンテーションの後には、着物対する質問を多数お受けしました。日本の誇る着物文化の新たな可能性を感じることができ、ここからさらに世界へ向けて発信していきたいという思いを新たにいたしました。
このような貴重な機会を作ってくださったイタリア大使夫人のリタさんを始め、珊瑚会社のジョイアさん、アルフォンソさん、そして大使館関係者の方々に深く感謝申し上げます。
なでしこ会とは
1950年、在京米国大使館の外交官や米国軍隊に務めていた男性を夫に持つ女性が、日本人女性との交流の中で習慣・文化を学ぶことを目的に創設。現在、東京のなでしこ会には20か国におよぶ地域の100人以上の女性が参加している。
イタリア大使館と公邸について
かつて松方正義公爵が所有した敷地内にあり、イタリアの建築家・ピエールフランチェスコ・ボルゲーゼと日本の建築家・村田政真氏との共同作業によって設計された。日伊の様式が融合された、現代建築を代表する建造物として知られる。
