「越後上布」の里を訪ねて – 第4回:苧麻績み

『越後上布』の里を訪ねて

2006年3月6日(月)〜7日(火)の2日間、店主の泉二が越後上布の里を訪ねました。その模様を4回に分けてご紹介します。今回は第4回(最終回)です。

第4回:苧麻績み

越後上布の苧麻(ちょま)の手績(う)みは根気との勝負です。今日は吉田カオルさん宅を訪ねました。

午後4時過ぎに伺ったときには、少々待ちくたびれてコタツでこっくりこっくり。いくら玄関先で呼んでも出てきません。「あれ?寝ちゃったかなあ??」と言っているうちに奥から小柄なおばあさんが出てきました。「いらっしゃい。もう来ないかと思った。」と。「お茶入れるよ。お茶菓子用意しているから」と言うのを、申し訳ないながらも辞退して、苧麻績みの撮影をさせていただきました。

吉田カオルさん宅

吉田さんは大正14年生まれの81歳。一緒に績んでいるのは、彼女のところに同居している叔母さんです。爪と口を使って苧麻を細かく割いて行き、経糸は機結びを、緯糸は撚り合わせてつないで行きます。口と手と指と爪との連動が素早い。長年の業です。

「コタツに入って出来るからやってるで。でも春になったら外で仕事をしなくちゃね。」と吉田さんは言います。昔からの習慣で、苧麻績みは農閑期の仕事なのです。

撮影が終わってからふと片づけを手伝っていて台所を覗くとお野菜の煮物がお茶碗に一杯盛り付けてありました。私達を歓迎するためのお茶菓子がこの煮物だったのです。おばあちゃんの気持ちに感謝しつつ帰路につきました。

越後上布は、年々生産反数が減っています。泉二もそれを憂いながら「もっと産地を元気にする方法はないか」と心底考えながら帰路に着きました。 ご協力くださった六日町の皆様、ありがとうございました。

また、この越後上布の里訪問の更に詳しい様子は「きものサロン 2006年夏号」でもご紹介されました。