【作者コメント】
くるくる輪にされた柳が段ボールに入れられて届きます。
届いたらすぐ糸を染める。いつも、優しくて柔らかい色に染まります。
媒染を変え、染め重ねる事で色数が増えていきます。
新緑の頃風にそよぐ柳の姿が大好きです。
平山八重子さんについて
1948年、東京生まれ。二十歳の頃ふとラジオから流れた人間国宝・宗廣力三氏の「織は人なり、人は心なり」という言葉が深く心に刻まれ、染織の道を志すきっかけとなったといいます。 郡上紬の宗廣力三氏の元で染織を学び、独立後は東京の自宅兼工房で作品制作。草木から染料を作り、自然の色を織り出し絹の光を纏ったような美しい作品は作品展で数々の受賞を重ねられています。
平山八重子さんの魅力は、まずその織の技術にあります。波や円など、織りとは思えない美しい曲線を見事に操るのは、卓越した技術を体得されているからこそ。また作品について伺うと、ひとつひとつ、同じように見えてもまったく違う技法を用いられていたりと驚かされることばかりです。これほどの意匠美を、さらに技術だけではなく現代的な色彩やデザインセンスで織り上げる方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。現在の染織の展覧会や織物通の方にも高い支持をされてる作家です。
平山八重子さんの素材のバリエーションの豊富さ、そこへ重ねる色とのバランスのセンスの高さは、飽きなき探究心の賜物です。常に前を向いて挑戦を続け、作家として45年余り。銀座もとじとのご縁はすでに20年以上となりました。
郡上紬の流れをくみつつ、さらに平山八重子さんの自由な発想で糸を染め織りあげていく織物は、お召しになった人の身体に添って作りだされる微妙な凹凸で、木洩れ日や星が混ざり合ったように輝き、様々な深い色と表情を作り出します。ぜひ極上の織りの世界をご堪能ください。
【作家産地】「平山八重子」のご紹介はこちら
【作家産地】「平山八重子」に関する記事一覧はこちら
【和織物語】『糸の力で彩を紡ぐ - 平山八重子の紬』
【和織物語】『平山八重子~一瞬の煌めきを永遠に息づかせる~』
『平山八重子さん 染織工房見学レポート』はこちらから