友禅作家・湯本エリ子さんの九寸帯作品です。
絽目素材で、季節先どりの単衣から盛夏まで長く楽しめます。
白ねずに藍濃淡の涼やかな彩りがまさに夏らしい波濤のデザイン。波飛沫が舞う様子が軽快で、波濤の曲線と、背景の鱗文の直線のコントラストもリズミカルでおもしろみある仕上りです。能や歌舞伎の意匠にも見られる鱗文は厄除けや魔除けを意味する縁起柄です。
輪郭には鈍い金彩が縁取られていて、夏の陽射しに涼やかに煌めきます。
涼感と上品な粋さがシックなトーンでまとめられたすっきりとしたセンスの作品です。小紋や紬、綿着物に。